9年前のドイツ式入れ歯の症例になります。
コーヌステレスコープ式部分入れ歯です。
下の写真を見て下さい。
治療前の下アゴです。
そして、治療後です。
入れ歯を外すとこんな感じです。
そして今回、右下の歯肉が腫れて急患でお見えになりました。
2重冠構造のドイツ式入れ歯なら、トラブルにも対応しやすいです。
画像左から2番目の、金属冠付近の歯肉が腫れています。
レントゲン写真の矢印付近に、透過像があります。
化膿して、骨が溶けています。
特殊な入れ歯の臨床経験30年以上、経験豊富です。
さてこのような場合、3通り5つの選択肢があります。
① 保存不能と判断し、抜歯して入れ歯を修理する
② 金属冠を外さずに、根っこの治療をして保存する。
(根っこの治療のために空けた、金属冠上部の穴は樹脂で封鎖する。)
③ 金属冠を外して内部を確認後、根っこの治療をして保存する。
その後の処置として、
A. 虫歯の部分を除去し、内部を強化樹脂で補強する。
切断して除去した金属冠を、修理して再装着する。
B. 虫歯の部分を除去し、部分入れ歯を支える新たな装置を製作し装着する。
C. 虫歯の部分を除去し、マンホールのフタのように金属キャップを装着、入れ歯を修理する。
というような感じです。
今回は、③のAを選択しました。
理由は、今回の腫れの原因が金属冠と歯肉の境目からの虫歯だからです。
単純な歯の中の神経組織の炎症(歯髄炎)なら、金属冠上部から根っこの治療ができます。
しかし、虫歯が原因なら金属冠を除去しない限り虫歯の部分を取り残すリスクがあります。
一番、手間暇がかかり難しい方法ですが頑張りましたよ。
では、治療の流れをご覧ください。
根っこの治療の品質で、歯医者さんの良心が解ります。
下の写真が、根っこの治療中です。
器具を挿入、根っこの長さを計測しているところです。
根っこの治療が、終了しました。
根っこの先端が、お薬で封鎖されました。
誰も誉めくれませんから、自分で言いますが根っこの治療って難しいのですよ。
あなたには見えない場所の治療です。
どこの歯医者さんでも、丁寧な根っこの治療が提供されていると思ったら大間違いです。
あなたは、根っこの治療終了後に、治療が上手くできているか歯医者さんに説明を受けていますか?
たぶん、説明されていないと思います。
だって、手抜き治療?がバレてしまうから。
痛みが無いから、根っこの治療が成功していると思ったら大間違いです。
虫歯の部分を除去し、内部を強化樹脂で補強しました。
切断して除去した金属冠です。
企業秘密なので説明しませんが切断の仕方もノウハウがあります。
勘の良い歯医者さんなら、画像で気づくかな?
切断部分を、特殊な樹脂で補修しています。
高額治療は、提携している歯科技工士さんも確認してくださいね。
そして、巧みの職人が切断部分を修復します。
歯医者さん選びは、提携している歯科技工士さんの技術力も重要です。
そして、装着します。
歯肉の腫れも消失しています。
根っこの治療が、的確に施術されている証拠です。
入れ歯が定位置まで、戻るのを確認して終了です。
これで、しばらくは延命できると思います。
いかがですか、経験豊富な歯医者さんならトラブルにも適切に対応できます。
良い事ばかり書かれているホームページは沢山ありますが今回のようなトラブルの対応例を、公開している歯医者さんを私は見た事がありません。
歯医者さん選びで大切な事は、術後の対応が全てですよ。
仕上がりは良くて当たり前です。
高額な入れ歯なのに、そんなに簡単に決めて大丈夫ですか?
歯医者さん選びは、慎重にお願いしますね。
ではまた。