不良な咬み合わせを放置して、インプラント?
不良な咬み合わせを放置し、ただ歯が抜けた隙間を埋めるだけの「入れ歯専門」または「インプラント専門」それだけでいいのでしょうか。
あくまで入れ歯やインプラントは治療手段です。まず歯を失った原因を把握し、診査・診断で咬み合わせの不具合を洗い出し、患者様のライフステージ(年齢)や要望をふまえたうえで適切なゴールの設定をすること。それを達成するための治療手段を幅広くご提案できるのが一流の歯科医師なのではないでしょうか。
高額治療なのに、咬み合わせは乱れたままです・・・
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乱れた咬み合わせを放置して、
インプラントが埋め込まれています -
術前の正面観
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他院の治療
咬み合わせの面が歪んでいます -
当院の治療
仮の歯でシミュレーション中です。
咬み合わせの面の歪みが修正されました
的確な診断と総合力が大切です
患者さまに最善の治療を選択していただくためにも、入れ歯とインプラントだけでなく歯列矯正治療や、歯周外科手術・根管治療などの延命(基礎)治療にも精通していることが重要です。
例えば多くの歯科医が抜歯と診断するような歯でも、歯周外科手術で保存できる場合も多いのです。入れ歯やインプラントすらも必要ないかもしれません。
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金属冠を外すと多くの歯が抜歯の適応症でした -
歯周外科手術で、保存することができました
むやみに歯を残せば良いわけではありません
ただし、ただ単に歯が残っていること、やみくもに残すことが目的ではありません。人生の終わりまで、不自由なく食生活を営める状態を維持することが目的なのです。抜歯をして、入れ歯やインプラントに置き換えたほうがよい場合もあります。
そのためには、問題を解決するための治療手段を適切に選択できる、ライフステージを考慮した総合的な診査・診断と、適切な治療計画が最も大切なのです。
あなたのライフステージ(年齢)によっても、
治療計画が変わります!
患者さまのライフステージ(年齢)、要望や状態によって、最善の治療は異なります。
例えば、
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20代までの、健全な天然の歯が多い時期なら
*虫歯や歯周病に対する予防処置
*矯正治療などで歯磨きがしやすい咬み合わせの治療を含めた環境の改善
が主になります -
60代までの、多くの銀歯や入れ歯が装着されている時期なら
*失われた咀嚼機能の回復を含めた、審美的な改善
*壮年期(65歳~)以降に対する準備や将来的な再治療を含めた治療計画
が重要です
*優先順位(年齢、健康状態、欠損の状況)によっては、70代以降と同様の治療計画となります -
70代以降の、多数の歯が失われている時期なら
*通院可能な健康な時期に、逃げ切れるお口の環境を整え、咀嚼機能を回復することが大切です
*修理しながら長持ちするような入れ歯の設計をします
*咀嚼機能の低下、欠損の進行を食い止めるようなインプラントの配置も重要になります
*適切な治療で咀嚼機能を改善し、お口の健康から介護予防することにより、健康寿命を延ばすことを目標にします
当院では歯科医は最善の治療を提案し、患者さまが選ぶものである、と考えています。
選んでいただく際に無計画でライフステージ(年齢)を考慮しない、単なる得意な(売りたい)専門治療のみで選択肢がない、というのでは自社の商品をごり押しで売りつける営業マンと変わりません。それでは『専門』とうたっていたとしても、歯科医師としては二流なのです。
危険!すぐ歯を削る歯医者さんには要注意?
治療開始前の診査・診断と治療計画こそが最も重要です!
良い歯医者さんは、都合のいいことばかり言いません!
あなたは適切な治療を受ければ、ずっと長持ちすると思っていませんか?
もちろん不適切な治療はトラブルを起こしやすいです。でも、適切な治療を行なっても長持ちする保証はないのです。
入れ歯やインプラントは、見た目や咀嚼機能を補うことを目的にする置換医療です。あなたが歯を失った原因までは改善できません。リスクの大小はありますが、治療後にも問題を残すことが多いのです。
中高年の治療計画で大切なこととは?
特に、入れ歯やインプラントが必要な中高年のあなたには、60代までは、やむを得ない再治療を考慮した再介入しやすい設計、70代以降は可能な限り逃げ切れるような治療計画が重要となります。
もちろん、最善の努力で長持ちするように施術するのは当たり前です。
ここがポイント!
良い歯医者さんは、
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治療を始める前に入念な診査・診断をします
診断とは、
*なぜ虫歯・歯周病・歯を失う結果になったのか?過去に起こったことを推測します
*このまま放置するとどうなるか?あなたの未来を推測します
*治療後に長持ちさせるためには、どうするか?
*治療しても、解決できない問題はあるか?
多くの場合、治療の制限があります。与えられた条件(費用対効果を含む)の中で何ができるのか?10~20年後、経過はどうなるのか?をあなたと共に考えます -
常に優先順位を考え、治療方針を選択します
優先順位とは、
*年齢(ライフステージ)
*健康状態
*患者様のご希望(例えば、外科処置は嫌、入れ歯は嫌など)
*費用対効果
等です -
大きなリスクが残る場合には、再治療もやむを得ないことを説明します
再治療を考慮した適切な治療ゴールを設定してから、治療を開始します
*例えば、神経組織を除去された歯を保存する場合、特に注意が必要です
10~20年後は、どうなっているのか?
次に壊れるのはどこか?
最初に入れたインプラントが邪魔にならないか?
現代は単なる、「入れ歯専門!」
「インプラント専門!」だけでは、難症例には対応できません
ここがポイント!
- 10~20年後のお口の変化を予想した治療計画が大切です
- 「高機能な入れ歯」と「高度なインプラント」のどちらにも対応できること!
60代ではインプラントを選んでも、70代でまた歯を失った時に、怖いインプラントが嫌になる場合もあります。健康状態で無理になることも多いです。若い方でも、最初からインプラント治療が嫌いな方もいます。
インプラントや入れ歯は、最終的にどのように歯を失っていくのか?を推測し設計することが大切です。
もちろん、外科処置を伴うインプラント治療が嫌いな患者さまに、無理にインプラント治療をおすすめする必要はありません。
「もう歳だから、インプラントは嫌!」そんな、70~80代の方が増えています
ただし、最近ではすでにインプラント治療の経験があり、お口の中に埋め込まれている患者さまも増えてきました。
そのような患者さまがさらに他の歯を失ったとき、歯科医にインプラント治療の経験がないと入れ歯の設計が適切にできない可能性があります。
入れ歯治療とインプラント治療のどちらにも精通している歯科医なら、埋め込まれたインプラントを有効活用するなど、臨機応変かつ適切に対応できる可能性が高いです。
インプラントを有効活用した入れ歯の症例を見せてもらいましょう。
- 歯医者さんへの
質問! -
先生はインプラントを有効活用した入れ歯の症例をお持ちですか?
無計画なインプラント治療に嫌気がさした患者様が増えています
「もうインプラントは絶対に嫌!」
でも、埋め込まれたインプラントを無駄にしたくない・・・
参考症例①上アゴ、インプラントと天然の歯を有効活用した部分入れ歯の症例
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もうインプラントは絶対に嫌!
某インプラント専門クリニックから、
転院された女性です -
治療前のレントゲン写真です。
すでに沢山のインプラントが埋め込まれています -
仮の歯で最終的なイメージを確認 -
インプラントと天然の歯を有効活用した、
ドイツ式入れ歯でリカバリー -
内冠と呼ばれる金属冠 -
内冠にはめ込まれる部分入れ歯
70代以降で、外科手術が嫌いなあなたへ!
残り少ない歯を守れる入れ歯があります!
人生最後の入れ歯にピッタリ!
修理しながら、10年以上楽に使えます。
あなたにはインプラントがどうしても必要ですか?
少ない歯を有効活用できる、高機能な入れ歯の技術があるかどうか?
「すべての歯を抜いて、総入れ歯にしましょう」と言われてお嘆きのあなたへ!抜いちゃダメですよ!
日本の歯科大学では教えてもらえない残り少ない弱い歯を、有効活用できる部分入れ歯があります
「その歯を抜くのは、ちょっと待ってください!」
ドイツ式入れ歯(テレスコープ式部分入れ歯)に限ったことではありませんが、部分入れ歯の設計では将来的に問題を起こしそうな歯は抜いてしまうことが多いです。
しかし、可能な限り抜歯せず、問題が発生した段階で抜歯できる設計を検討してもらいましょう。
利点は、適切に歯を残すことによって入れ歯の沈み込みを防止して、他の歯の負担を軽減できる可能性があります。当然、歯を保存すれば歯肉の痩せは少なくなります。
入れ歯が小さくなり、違和感が軽減される可能性もあります。
参考症例②上アゴ、少ない歯を有効活用した部分入れ歯の症例
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コンディションが悪い歯だらけです -
精密な金属冠を装着 -
入れ歯の内側に凹み


内側の冠が抜歯になってもずっと使えます
利点・欠点をきちんと考えたうえで、歯を抜かない努力をしてもらえるか?
歯周外科手術ができれば、そもそも入れ歯もインプラントも必要ないかもしれません
ここがポイント!
- 深い虫歯でもかなりの確率で保存できますが、なんでも保存すれば良いとは限りません。
総合的な治療計画が立てられる歯医者さんがおすすめです。
被せた歯が長持ちするためには、歯肉の上に高さ2ミリ、厚さ1ミリ以上の健康な歯質が全周に残っている必要があります。
その条件を満たしていない場合は、無理に保存しても長持ちしません。そのため、虫歯が歯肉の下まで進行している場合は、抜歯になります。でも、歯医者さんに歯周外科手術の技術があれば残せる可能性があるのです。
そもそも入れ歯もインプラント治療も必要ないかもしれません。
参考症例①延命治療の歯周外科(下アゴの前歯)*正面から見た写真です
この症例で歯を残した理由
1.年齢が40代で、歯を残したいお気持ちが強い
2.予算をできるだけ抑えて欲しい
3.次に失う歯は奥歯の可能性が高い。その時はインプラントでリカバリーするのを承諾済み
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手術前、健全な歯質が足りません
根っこが折れやすく、
被せた歯が長持ちしません -
歯周外科手術後、健全な歯質が露出してきました -
歯周外科後、約4か月経過。
歯肉は綺麗に治癒しています -
すべての歯を保存することができました。
完成した、装着前の固定式のブリッジです -
治療後の正面 -
治療後の正面・下の歯
参考症例②延命治療の歯周外科(下アゴ、すべての歯)*咬み合わせの面から見た写真です
この症例で歯を残した理由
1.年齢が40代で、歯を残したいお気持ちが強い
2.予算をできるだけ抑えて欲しい
3.次に失う歯は奥歯の可能性が高い。その時はインプラントでリカバリーするのを承諾済み
4.上の歯が総入れ歯なので、下の歯の負担が少ない
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手術前、健全な歯質が足りません。
ほとんどの歯が抜歯の適応症です -
歯周外科手術後、
健全な歯質が露出してきました -
すべての歯に外科手術を行なっています -
歯周外科手術から4ヶ月経過後。
すべての歯を救うことができました -
治療終了後の状態
参考症例③延命治療の歯周外科(上アゴの奥歯)*手術前に矯正治療を併用すると、歯肉を温存できます。ただ単に歯の周りの組織を除去すると当然ですが組織を失います。でも、矯正治療により歯を引き出すと周囲の組織が増殖します。その増殖させた歯肉を切除すれば差し引きゼロになるのです。
この症例で歯を残した理由
1.年齢が40代で、歯を残したいお気持ちが強い
2.予算をできるだけ抑えて欲しい
3.歯を失った時はインプラントでリカバリーするのを承諾済み


抜歯の適応症ですが、何とか保存しようと計画しました。ボロボロの歯に、小さなフックを装着しました



定期的にゴムを交換して、約2か月後です。
針金のところまで歯が出てきましたね。歯肉も歯と一緒にくっついてきます

歯肉の下に隠れていた虫歯の穴も発見できました
- 歯医者さんへの
質問! -
どうしても私の歯は、抜かないとダメですか?歯周外科はお得意ですか? いろんな技術を駆使して保存できる可能性があるとネットで知ったのですが...
安易に、歯の神経を抜く歯医者さんが多い気がします…
神経を抜かない努力をしてもらえるか?
神経を抜かれた歯は、根っこが折れやすくなります
ここがポイント!
- 入れ歯の支えに利用する歯は、神経組織がないと危険です!
- 見えない部分の治療が誠実に行なわれていることが重要です。
根っこの治療の品質が歯の寿命を左右します。
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不適切な根っこの治療 -
再治療後15年目経過良好
日本では、銀歯を被せる歯の神経を抜いてしまう場合が多いようです。
理由は、術後の知覚過敏や痛みを避けるためと思われますが、歯の寿命が短くなります。
神経を抜かれた歯は、枯れ木のようにもろくなるのです。そして、根っこが折れて抜歯の運命をたどります。これでは踏んだり蹴ったりですよね。
さらに、どこの歯医者さんでも施術されている神経の治療ですが、実はとても繊細で難しいのです。そのため、海外ではとても評価が高く、日本円で1本10~40万円程度は必要になります。
あなたが見ることができない部分が、誠実に施術されている保証はないのです。
そして質の低い治療では、再発のリスクが高くなります。あなたは神経を抜いたのに、再び腫れたり痛みが出てきた経験はありませんか?
実は、質の高い根っこの治療が提供できる歯医者さんはとても少ないのです。
できる限り神経を保存する努力を惜しまない歯医者さんがおすすめです。
人生最後の入れ歯だと思って、頑張ったのに…
たった1年で、根っこが折れて作り直しになった
120万円の入れ歯をご覧ください
実は日本の歯科大学では、正しい入れ歯の設計を教えてもらえません。
その証拠をご覧ください。下記の画像はコーヌステレスコープ式義歯と呼ばれるドイツで生まれた高機能な部分入れ歯の症例です。当院でもお勧めしている技法です。
某大手医療法人で、最新の知識を学んで卒業した若い歯医者さんが施術されました。装着直後は良く噛めたそうです。でも、たった1年の間に根っこが折れたり、内側の金属冠が外れたりを繰り返し、使い物にならなくなりご相談で来院されました。
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高額治療なのに、隙間が空いています。
咬み合わせの不良です -
歯が折れたり、冠が外れています



すべての歯の神経組織が除去されています


上アゴの咬み合わせの面です
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下アゴの入れ歯です。
歯の寿命を短くする設計です -
不適切な入れ歯の設計です
正しい入れ歯のトレーニングを受けている歯医者さんなら、すぐに問題点に気が付きます。
- すべての支えの歯は、神経組織が除去されている*ドイツでは、コーヌステレスコープ式義歯の支えに利用する歯は、神経組織を保存するように教育されています
- 入れ歯の骨格である金属フレームのデザインが不適切である*このように入れ歯を支える歯の本数が少ない場合は、もっと広い面積で覆うようなデザインにしなければいけません
- そもそも、コーヌステレスコープ義歯の技法を適応するには無理がある*歯医者さんに入れ歯の知識が乏しいために、適切な選択肢がないためと思われます
- 歯医者さんへの
質問! -
ドイツ式部分入れ歯コーヌステレスコープで神経を抜きますか?
時代遅れの日本の入れ歯事情
さらに、この患者様の下の部分入れ歯をご覧ください。学力偏差値では最高峰の某国立大学歯学部で製作されたものです。

入れ歯先進国ドイツでは、このような部分入れ歯の金属製の留め金は歯の寿命を短くするという理由で、数十年前に大学の授業からなくなっています。おまけに、入れ歯を装着すると歯と歯の間にすき間ができてしまいます。
びっくりするかもしれませんが、これが日本の入れ歯事情です。
もっと入れ歯が得意な歯医者さんが増えて欲しいです。
入れ歯難民が増え続けて、インプラント治療が大人気なのも仕方がないと思います。
でも、インプラント治療がいろいろな事情で選べない患者様にとっては、このままではいつになっても救われませんよね。
ただし、入れ歯は決してインプラントに劣る治療法ではありません。
どちらの治療法にも、利点や欠点があります。あなたに合う治療法が最善なのです。
参考症例③コーヌステレスコープ式部分入れ歯
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細心の注意を払って全ての神経組織を保存して、
歯を削ります -
神経を保存することにより、
歯の寿命が格段に延びます -
部分入れ歯が長持ちします -
入れ歯装着時・上顎咬合面 -
歯に接着される金属冠と、それにはめ込まれる部分入れ歯です -
入れ歯装着時・正面
細かな心遣いが歯の延命につながります
あなたの大切な歯を守るために、真面目な歯医者さんはこんな努力や設備投資をしています
ここがポイント!
- 国産の診療台の多くは、冷却水の注水量が足りないので知覚過敏になりやすい。
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大量のお水で冷やしながら歯を削る
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神経(歯髄)は熱に弱いです。日本製の診療チェアは歯を削るときに出てくる冷却水の量が少ないため、歯にダメージを与えてしまいます。
研究では、歯を削るときには最低毎分50cc以上の冷却水が必要とされています。残念ながら多くの日本製の診療チェアはその規格を満たしていません。
ドイツの診療台が安心です。
高性能なドイツ製の診療台 - 1
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歯を削るときのドリル本体は、回転時にブレが少なく歯に振動のダメージを与えない器具を使用する
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高精度なドイツ製モーター、カボ社製が安心です。
ドイツ製のマイクロモーター
- 2
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ダイヤモンドコーティングされたドリルの先端は、切れ味の良い新しい物を使用して摩擦熱の発生を最小限にする
大量にストックされたドリルの先端
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歯を削った後は、適切に神経(歯髄)保護のコーティングを行う
削られた歯の表面に
特殊被膜を作り、神経組織を保護します - 4
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虫歯の除去中など、神経(歯髄)の一部が露出しても極力保存する努力を惜しまない
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神経(歯髄)まで到達しているような深い虫歯でも、虫歯菌の殺菌を行うことで神経を保存できる可能性もあります。
ドックベストセメントで、虫歯菌の殺菌 - 5
流れ作業の保険治療の弊害かもしれません
あなたは日本人が先進国の中で、総入れ歯の人の割合がダントツに多いことをご存じですか?
その原因のひとつに安易に神経の組織が除去されているという現実があります。保険制度の弊害で、薄利多売の医療で一人の患者さまに時間をかけられない日本では、歯を削った後に歯を保護するための仮の歯を製作している時間がありません。
そのため知覚過敏のクレームをもらわないために、神経組織を除去した方が都合良いのかもしれません。