「気の毒なので、高額なインプラントや入れ歯治療で失敗した人は、
読まないでください・・・。」
60代の患者様です。
下の部分入れ歯を作り代えたいと、来院されました。
保険治療の部分入れ歯が装着されています。
金属製の留め金が目立ちますね・・・。

この方は、奥歯を2本失っていました。
インプラントか入れ歯で迷われていましたが、アゴの骨の厚みが少ないために
インプラントを埋め込むためには、骨の厚みを増やす手術が必要になります。
検討の末、身体の負担が少ないドイツ式テレスコープ義歯を選択されました。
まずは、支えとなる歯を2本削ります。
すでに、1本は銀歯が装着されていたので追加して削ったのは1本です。
最小限の設計です。

そこに内冠と呼ばれる、超精密な金属冠を装着します。
今回は、超軽量チタン合金製です。

その上に、入れ歯がはめ込まれる仕組みです。

そして、こんな仕掛けが付いています。

この回転レバーを開くと、ロックが外れ入れ歯を外す事が出来る構造です。
ドイツ式テレスコープ義歯の一つ、リーゲルテレスコープ式部分入れ歯と呼びます。
横から見ても、金属製の留め金は見えませんよ。

前から見ると、こんな感じです。

参考までに、治療前の状態です。

そして、治療後の状態です。

今回は、咬みあわせのバランスを整えるために上の歯も治療しています。
どんなに精密な仕掛けの部分入れ歯でも、咬みあわせが悪ければよく噛めません。
それは、インプラント治療でも同じです。
インプラントやドイツ式テレスコープ義歯は単なる治療手段です。
単に、歯が抜けた隙間を埋めるだけの治療では不十分なのです・・・。
真面目な歯医者さんは、咬みあわせにこだわります。
私も、単に抜けた隙間に入れ歯やインプラントを埋め込むだけの治療はお断りしています。
理由は、あなたの為にならないからです。
多くの歯を失う原因が、咬みあわせの不良によることがほとんどだからです。
さらに、せっかく苦労してインプラントを埋め込んでも咬みあわせが悪いために
埋め込まれた金属製のインプラントが破損する危険性もあるからです。
折れたインプラントは使用不能ですから、手術して除去しなければいけません・・・。
参考までに下の写真は、他院で埋め込まれて1年未満で破損したインプラントです。

と言うことで、真面目な歯医者さんの選び方をこっそり教えますね。
①真面目な歯医者さんは、何よりも咬みあわせを重視します。
②咬みあわせが悪いのに、
単に虫歯で穴が空いた所を補修するだけの治療はしません。
③インプラント治療や高額な入れ歯の説明をする前に、
咬みあわせの問題を説明します。
是非、参考にしてくださいね。
でも、注意しなければいけない事があるのですが
あなたの咬みあわせが悪くても、
悪い咬みあわせに気がつかない歯医者さんが多いので
くれぐれも用心して下さいね。
日本の歯科大学では、
咬みあわせの不具合の診査診断を
しっかり教育してくれないので仕方がないのです・・・。
歯医者さん選びは難しいですね・・・。
ではまた。