さて、今回のタイトルは「最新審美セラミック治療」です。
あなたは、歯医者さんで歯を治療する時に、
保険外治療の歯を勧められた経験はありますか？
前歯に限った事では無いのですが、
歯の被せものや詰め物にはたくさんの種類があります。
保険の範囲の歯は選べませんが、
保険外の歯は、新素材がどんどん開発されて商品化されています。
今回は、その保険外治療の歯のひとつ、
最新オールセラミッククラウンのお話です。
さて、セラミッククラウンですが私が大学を卒業した２７年前から、
歯の被せものにセラミック素材を使用する事は当たり前でした。
但し、一般的に普及していたのは、
金属冠の表面にセラミック素材を貼り付けた歯でした。
当時はまだ、現在の主流のオールセラミック冠が出始めたくらいでした。
下の写真が金属冠の骨組のセラミック冠です。
裏側が金属ですね。
現在の主流は、セラミック素材の研究が進み、
金属の骨組を一切使用しない、
オールセラミック冠に変わりつつあります。
下の写真のように金属の骨組はありません。
金属を使用しない主なメリットは
①金属アレルギーの心配が無い
②金属の裏打ちが無いので、
ガラスのように、光の透過性が増すため
自然な見た目を再現できることです。
専門的に見れば、オールセラミック冠の欠点もあるのですが、
日進月歩で欠点も克服されてきています。
また、別の機会に詳しく説明しますね。
おそらく、近い将来は歯に金属を使用しなくなる日が
間違いなく来るでしょう。
さて、審美セラミック冠を使用した症例の紹介です。
60代の女性です。
顎関節症とインプラント治療を希望されて、
他院から紹介来院されました。
下が初診時の写真です。

たくさんの歯の治療を受けていて、歯がすり減っています。
そのために、下の前歯がほとんど見えませんね。
かみ合わせが低くなると、顔のたるみも出てしまうんですよ。
いわゆる、老け顔になってしまいます・・・。
アゴの関節にも、負担がかかります。
そこで、すり減った高さを改善します。
下の写真を見てください。
下の前歯が1本だけ、隙間がありますね。
最初の高さを確認できるように、1本だけ治療しないでおきました。
周りの歯は、プラスチックの仮の歯です。

前から見ると、下の前歯が長くなっていますね。

最初の写真はこれです。

そして、治療終了後です。
患者さんの希望で、
年齢相応の白すぎない、自然な優しい色にしています。

審美歯科といわれる治療は、
ただセラミックの白い歯にする事ではありません。
アゴの関節や、かみ合わせなど、
お口全体の不具合をきちんと診断して、
総合的に治療して初めて良い結果が出せるのです。
この方の歯は、ジルコニアと呼ばれる固いセラミックのフレームの上に、見える所だけを歯科技工士さんがセラミックを貼り付けました。
歯の状態が悪かったので、連結して補強してあります。

以前は、上の写真のようにたくさんの歯をセラミック素材で
連結補強が難しかったのですが、現在は可能になってきました。
但し、慎重な診査、診断が大切です。
この症例のように、すり減ったかみ合わせの高さを調整しなければ、
この治療法はできません。
大切なことは、診査と診断力です。
セラミックの白い歯がきれいなのは、当たり前なのですから・・・。
ではまた。