「歯が無くなるとボケるって本当なの？」
　私は以前、佐野市の介護認定の審査員として
お手伝いをしていました。
　現在、日本の要介護者(要支援者も含む）は
右肩上がりで増え続け、
厚生白書では平成２４年には、
なんと５６１万人と報告されました。
ここ１０年で、２００万人以上増えたそうです・・・。
そして、要介護者(要支援者も含む）の多くの方が
体の不調より、認知症を恐れているのだそうです。

　認知症は、ご本人もそうなりたくないし、
ご家族にとっても、精神的に非常につらい病気です。
　その数も増加の一途をたどり、
現在４６０万人と推定されています。
　そこで入れ歯のあなたに、
ぜひ知って欲しい情報があります。
　東北大学の研究によると、
残っている歯の減少とともに脳も萎縮し、
脳機能が低下すると報告されているのです。
高齢者の脳をＭＲＩで撮影し、
歯の数と脳の容積との関連を調べた結果、
歯の数が少ないほど記憶をつかさどる海馬付近の容積が
減少していることがわかりました。
　
また、自分の歯でしっかり噛める人は
自立した生活を送っている一方で、
歯が無い、もしくは義歯も装着していない人
（軟らかい食べ物や流動食しか
食べられない）は、６０～７０％が
近所までの外出か寝たきりになっていることが
報告されています。
動物実験でも、
奥歯を抜いた高齢のラットの記憶力は、
歯のあるものより
低下する事が観察されており、
　年齢が増すほど記憶力の差は大きくなると
報告されています。
　まさに、よく噛んで食べられる事が、
健康で幸せな人生をおくるために
とても大切なことを、
証明しているデータです。
　さらに最近では、テレビや週刊誌で、
歯周病が糖尿病や心筋梗塞の
リスクを増加させると、頻繁に報道されていますね。
　
　そんな影響もあるのか、
私の医院では来院される患者さんの半数近くが
定期健診やクリーニングの方となっています。
　そして年々治療以外で来院される方の数が増えていることから、
お口の健康に対する意識の高い人が増えてきたと言えます。
　歯は毎日の生活に欠かせない、
いや生きていくうえで
絶対に必要な、心臓や胃腸のような臓器と同じです。
　一生自分の歯で噛みたい、大切な歯を失いたくない、
健康で充実した人生を楽しみたいと
誰もが願っているのです。
　その為には、悪くなる前にケアする、
「予防」が大切なのです。
予防と言えば、日々の歯ブラシの手入れの他、
歯科医院での定期検診や
ＰＭＴＣと呼ばれているクリーニングがあります。
素早く汚れを除去できる、こんな優れものもありますよ！
こちらの記事も読んでくださいね。
★「営業職のあなたへ！
　　今日もあなたが、契約を取れないのは、
　　歯の汚れが原因だって、知ってますか？」​
　これからの歯科医院は、
「痛くなったら通う」のではなく
「痛くならないように通う」場所になります。
例えば、
一般的に１本の歯を治療すれば、
１回１，５００円～２，０００円程度かかりますね。
多くの場合、１回の治療では終わりませんよね？
何回もかかります。
仮に虫歯にならないためにお金がかかっても、
いったん虫歯になり、
歯を削りはじめたら、平均７年おきに再治療となり
そのたびに治療費もかさみ、最終的には、
歯を抜く時期が早まってしまいます。
さらに歯の汚れをメンテナンスしないと
歯周病のリスクも高まるので
ますます歯を失う危険が高くなるのです。
　車だって、長い間乗るためには、
検査やメンテナンスは欠かせませんよね？
身体の一部である歯も、当然メンテナンスが必要なのです。
まして治療をたくさん受けているあなたは、
ただでさえハイリスクなのですよ・・・。

　ＷＨＯの統計によると国を挙げて予防に取り組んできた
スウェーデンは８０歳での残存歯が２０本以上、
アメリカは１８本以上あるそうです。
　
ところが予防を行ってこなかった日本は
８０歳の時点で、平均６本と格段に少ない結果となっています。
　自然界の動物は争いで歯を失うと、死が待っています・・・。
私達人間は、食事を美味しく味わえない上に、
良く噛めないために、
脳の血流量も減りボケのリスクも高くなるのです。
あなたは、歯を失う事により、
生活の質や命まで短くしていませんか・・・？
　是非、あなたの健康作りの一つに
歯のメンテナンスや予防の考えを
取り入れてみてはいかがでしょうか？
ではまた。