栃木県佐野市の入れ歯・インプラントの駆け込み寺、難症例にも対応

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「アメリカの根っこの治療費は、インプラントよりも高いって知ってますか?」「安易に根っこの治療を受けないでください」

今回のお話は、「根っこの治療はインプラントよりも高いって知ってますか?」
「安易に根っこの治療を受けないでください」
です。
長い間、歯で苦労される人が後を絶ちません…
下の写真をご覧ください。
かかりつけの歯医者さんに疑問を持ち、遠方から来院された患者さまです。
初診時の写真です。

多くの歯が治療済みで、高額なセラミック冠が装着されています。

上の歯です。奥歯がありません。

せっかく高価なセラミック冠にしたのに、入れ歯の針金が見えるなんて…

そして、前歯には高額なセラミック冠が装着されているのに、
入れ歯は、針金がついた残念な保険の入れ歯です…。

見た目も悪いし、全く噛めないそうです。
日本のよくある保険の入れ歯です。

下の歯です。高額なセラミック冠が装着されています。

でもこの患者様のお悩みは、よく噛めない事もありますが上下の前歯の痛みです。

神経を抜く治療って、超繊細な治療なのです。

そのためにかかりつけの歯医者さんは、
いわゆる歯の神経を抜く治療(根管治療)をし、
前歯を接着材でギブスのように固定してくれたそうです。

でも、痛みは治まらないので不安になったのです。
経験豊富な歯医者さんなら
レントゲン写真を見なくてもこのお口を見ただけで、
上下の前歯の痛みの原因は、いくつか予想できます。
① 虫歯の痛み?
② 歯周病の痛み?
③ 咬みあわせの不良による痛み?
上の奥歯がないために、前歯に負担がかかるためです。
歯が揺すられるために、歯肉が退縮(歯が長くなる)して知覚過敏になります。
④ 複数の原因が関与した、複合的な痛み?
等などです。

治療には、優先順位が重要かもしれません

良い歯医者さんは診査・診断と治療計画を立て、原因を探っていきます。
私なら根っこの治療の前に、
まずは咬みあわせの不良による知覚過敏と外傷を疑います。
奥歯が無いために、下の前歯が上の前歯を突き上げます。
過剰な力が誘因になっている可能性が高いからです。

さらに、セラミック冠による天然歯の摩耗も考えられます。
簡単に説明しますね。

あなたのセラミック冠は大丈夫ですか?

下の写真は、上の歯です。
前歯のセラミック冠の裏側が、摩耗しています。
強い力がかかっている証拠です。

セラミック冠の素材は、あなたの予算で決めるのではありません。

セラミック冠の素材にはいろいろあるのですが、
この患者様の場合は柔らかいセラミック冠が装着されていました。

セラミック冠の素材は、
本来、適材適所で歯医者さんが選びます。
値段であなたに選んでもらうものではありません。
でも、セラミック冠の素材に関する知識が乏しい歯医者さんが多いようです。

当院では、セラミック冠の素材は私が選びます。価格は同じです。
製作する歯科技工士さんのランクで、価格が変わるだけです。
この患者様のような、金属にセラミックを貼り付けたタイプのセラミック冠は
柔らかいので欠けたり、摩耗しやすいのです。

でも、利点もあります。かなり症例は減りましたが、
私も適材適所で今でも使います。
オールセラミック冠よりも劣るという治療法ではありません。
現代の主流である、金属を使用しない高強度のオールセラミック冠が
急速に普及してきたのは10~15年くらいだと思います。

また、別の機会に解説しますね。
さてセラミックは摩耗したり、割れたりすると断面がザラザラになります。
お茶碗を割ると、断面がザラザラですよね?
それと同じです。
そうすると、砥石のように表面がザラザラなので相手の歯を痛めるのです。
天然の歯なんて、簡単にすり減ってしまいます。
すり減れば当然、知覚過敏になりやすいのです。

歯医者なんて、どこでも一緒ですか?

かかりつけの歯医者さんの診断は不明ですが、
咬みあわせはそのままで、根っこの治療をしてくれたそうです。
下の写真が、レントゲン写真です。

根っこの治療は、安易に受けないでください…

ここで、根っこの治療(根管治療)を解説しますね。
根管治療とは、歯の延命治療の1つです。
歯の内部にある神経(歯髄)の部分の治療を指します。
虫歯が進行すると、歯が冷たい物・熱い物でしみたり痛みが出てきます。
その症状を取り除くためには、神経を除去する必要があるのです。

自費専門ですが、根管治療専門医って、知ってますか?

根管治療はどこの歯医者さんでも、毎日当たり前に行なわれている処置です。
親知らずの抜歯などは、かかりつけの歯医者さんから大学病院等に
紹介される事も多いと思います。

でも、根管治療で専門医を紹介される事は、かなり少ないと思います。
今初めて、根っこの治療の専門医がいるって知った人も多いかもしれませんね。
歯科治療の多くは、あなたが考えているより、
とても繊細で難しい治療なのですが、
この根管治療はその中でもピカイチに難しい治療なのです。
そのために、かなり経験豊富な歯医者さんでないと完全な根管治療は出来ません。
経験豊富な歯医者さんにとっても、とても難しく面倒な処置なのです。

仕事(歯科治療)は良心との戦いです…

特に根っこはあなたには見えないので、治療の品質はあなたには解りませんよね?
歯医者さんの良心が問われる部分でもあります。
そして、本来は安易に受ける治療ではないし、
出来るだけ神経を保存してもらえる歯医者さんを探してください。

保険治療ばかりやっている歯医者さんには注意してください

日本の保険治療は、治療の質を問わない出来高払いのシステムです。
薄利多売が基本で経営が成立つシステムです。
この根管治療に限りませんが、
きちんとした治療をすればするほど赤字になるという大きな問題を抱えています。
真面目な歯医者さんがいなくなるのは、ある意味しかたがないかもしれませんね。
話を戻します。

この患者様の根っこの治療の良否はさておき、
神経組織が取り除かれても痛みは消えなかったそうです。
そこで、かかりつけの歯医者さんは、
前歯をギブスのように接着材で固定してくれたそうです。

それでも前歯の痛みは消えないどころか、
根っこの治療後に痛みが増してしまったそうです…。

診査・診断と治療計画がとにかく大切です

当時の状況も解らないし、
今となっては、何が正解だったのかは誰にも解りませんが、
私なら根っこの治療は、最終処置にした可能性が高いと思います。
理由は難易度が高い処置は極力避けたいし、神経組織を保存したいからです。

この患者様は、これから総合的な治療を開始します。
そこで、ひとまず痛みのある前歯の根っこの治療をやり直す事にしました。
経験豊富な歯医者さんなら、レントゲン写真を見れば直ぐに解るのですが
この前歯はかなりダメージを受けています。
白い部分は神経組織を除去した後に詰めるお薬です。

下の前歯は根っこが細いのですが、
かなり白い部分が多いので内部の壁が薄いのが解ります。
薄くなった原因は、なんとなく予想出来るのですが、
適当なコメントは出来ませんので、ご理解ください。
もちろん、シンプルに大きな虫歯だった可能性もあります。
さらに、歯の内部が吸収する病気がありますからその可能性もあります。
今回も内部吸収だったのかもしれません。

根っこの治療とは、小さな歯の内部を削り込む超繊細な処置です

いずれにしても、痛みを取り除くために必要と判断し行なった処置です。
そもそも根っこの治療とは、歯の内部を削る繊細な処置です。
これを、保険の流れ作業で行なう歯医者さんのストレスはとても大きいのです。
針の穴程度の根管を探して、息を止めて削り込むのですよ。
虫歯の状況によっては歯の厚みがペラペラになるまで、
削ることも日常茶飯事なのです。

根っこの治療は、高倍率ルーペを使っている歯医者さんにお願いして下さい

私も今回みたいな、やり直しのケースは
高倍率の拡大ルーペ無しでは怖くて処置できません。
下の写真が、高倍率ルーペです。
精密さが常に要求される歯科治療には、必須アイテムです。

アメリカでは、根管治療は1つの根管につき10~20万円です

だから日本の保険治療で数千円の根っこの治療が、
アメリカでは前歯なら10~20万円以上かかるのです。
奥歯ならその3~4倍です。
インプラント治療より高額ですよ。
ということで、赤い矢印の歯から再治療しました。

尖端の穴が、緊密に封鎖されているのが良く解ると思います。
再治療の結果と考えれば、合格点だと思います。
ちなみに、これは保険治療ですよ…。
誰か、お金ください…。

でも矢印部分の壁が薄くて穴が空いていたので、抜歯しました。
私の苦労は全てむだになりました…
残念~、時間返して~!
青丸の歯も、白いお薬の方向が本来の根っこ方向と
ズレていたので精査したところ、こちらも壁が薄くて穴が空いていました。
残念ながら抜歯しました。

穴を塞ぐ材料もあるのですが、穴の空いている場所が悪いのと、
最終的な設計には影響しないので治療後のトラブルを考えて抜歯しました。
これは、説明用の模型ですがこんなに根っこって細いのですよ。

抜歯した前歯です。

模型の歯と並べて見ました。
横から見たところです。

壁が薄くて穴が空いている部分から、ピンクのお薬が飛び出ています。
前から見ると、こんな感じです。

かかりつけの歯医者さんも穴を塞ぐ努力をされたと思いますが、
経過が悪いので今回はあきらめました。
抜歯後にその前歯の痛みは消えましたが、他の前歯の痛みは消えていません。

治療前から予想してましたが、おそらく青印以外は保存不能だと思います。
前歯の痛みは、抜歯をすれば治ると思います。
前歯が無くなるのですから当たり前ですが…。

どんな状況でも、解決策はあります

さて、ここで問題は根っこ治療の良否もありますが、
今後の選択肢をかかりつけの歯医者さんが提示出来なかった点です。
もしかしたら、根管に穴が空いていることが解らなかった可能性もあります。
レントゲンの角度によっては、見落とす場合があるからです。
経過を観察していたのかもしれませんが、この治療は3年前だそうです…。

歯を残す事も大切ですが、時間は有限です。
適切な診査・診断と治療計画を立て、
歯の保存をあきらめるのも、ある意味正しい選択だと思います。
ゴールは、綺麗で痛みなくしっかり噛めて長持ちする事です。
その目標が達成出来るなら、中高年の予後不良な歯を、
無理して残す事が良いこととは限らないのです。

実は、適切な診査・診断と治療計画が立てられる歯医者さんって、
とても少ないのです。
仮に立てられても、あなたの希望を叶えてもらえるような
多くの選択肢が無い場合もあります。
あなたの希望を無視して、歯医者さんがやりたい治療法に
誘導される可能性もあります。

得意分野が無いなら、適当な保険で…
インプラントが得意ならインプラントだけ
入れ歯が得意なら入れ歯だけ
みたいな感じです。

あなたに見えない部分が、誠実に治療されている保証はありません

今回のように、
どこの歯医者さんでもやっている根管治療や歯周外科など、
延命基礎治療に精通している歯医者さんは、とても少ないです。
そして、どんなに綺麗なセラミック冠でも、
根管治療が上手に出来なければ長持ちしません。
当院のホームページには、良い歯医者さんの選び方の情報が満載です。
是非参考にしてください。

歯医者さん選びって、難しいですね。
ではまた~

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