「歯医者さんで、全部の歯を抜いて総入れ歯にしましょう!と言われてお嘆きのあなたへ!抜いちゃダメですよ!」
なぜこんなお話かを説明しますね。
当院は、入れ歯とインプラント治療に力を入れています。毎日、歯を失ってお悩みの方が、たくさん相談にお見えになります。
残りの歯が3本以下のあなたが後悔しないためのお話
そこで、残りの歯が3本以下のあなたが後悔して涙を流さないために、世間ではよくあるもったいないお話をしたいと思います。
以前のブログにも書きましたが、上か下の片側のアゴに残っている歯が、およそ3本以下の場合、部分入れ歯の設計がとても難しくなります。
理由は、日本の歯科大学で教育されるレベルでは、そもそも入れ歯の設計が無理だからです・・・。特に、健康保険で決められた設計では、残された歯を守り、良く噛める入れ歯はできないのです。
そうすると、何がもったいない話かというと、残っている歯が3本前後だと、多くの歯科医が「もうじき総入れ歯になるだろう」との予想のもとに、保存可能な歯まで抜歯してしまうことがあるからです。
「残せる歯まで抜いちゃうの~?」
「え~、どうして~?」
って思いますよね・・・。
でも、歯医者さんを責めないでくださいね!ちゃんと理由があるのです。
多くの歯科医が、保存可能な歯まで抜歯してしまう理由
①仮に歯を残したとしても、従来の日本の歯科大学で教えてくれる入れ歯の設計だと、すぐに歯を失うことが経験的に分かっているからなのです・・・。入れ歯のバネで歯が揺すられて、短期間で抜けてしまうからです。
②その歯が残っていることにより、かえって入れ歯が不安定になることさえもあります・・・。
そのため、全部抜いてしまって、総入れ歯にした方が作りやすいのです・・・。
③入れ歯の人工の歯を並べる時に、歯がない方が理想的な位置に並べやすい場合もあるのです。
などの理由で、あなたに歯を抜くことを提案するのです・・・。
あなたは、専門家の歯医者さんが勧めるのだから、嫌でも承諾しますよね・・・。
だって今までも入れ歯で苦労してますから、抜いたほうがうまくできると言われれば、これ以上苦労したくないですからね・・・。
でも、結果は・・・。
総入れ歯は、あなたが考えているほど、簡単ではありませんから・・・。
歯科治療で、もっとも難しいのが 総入れ歯 です
総入れ歯を作るためには、
①高度な咬み合わせの知識
②審美歯科と言われるような、綺麗な見た目を作るための知識
③何もない歯肉の型を採るのですから、高度な型採りの技術
④高度な技術を持っている、歯科技工士さんとの提携
そして、あなたにとっての大問題が
⑤高額な治療費
などなど、関門がたくさんあるのです。
嘘だと思うなら、あなたのまわりの総入れ歯のお友達に聞いてください。何でも好きな物を食べられている人は、とても少ないですよ・・・。
以前のブログでも書きましたが、NHKテレビの「試してガッテン」という番組で総入れ歯のお話をしていました。
その中で、「私の総入れ歯は、何でも食べれるよ!」って豪語していた方、すべての総入れ歯は落第点でしたよ・・・。
「何でも食べられる」ではなく、正確には「食べられる物だけ、食べている」ということなのです・・・。
悲しい、現実でした。
参考までに、下の写真は同じ患者様の入れ歯ですよ!
他院の保険の入れ歯と、私が製作した自費診療の入れ歯です。
あなたはどちらが良い入れ歯だと思いますか?
ちなみに、
「歯科医に、どちらが良く出来ていますか?」
と質問すれば、120パーセント、大きな入れ歯を選びますよ!
こんなに、差があるのですよ・・・。
このように、トレーニングを積んだ、歯科医と歯科技工士さんに、高額な治療費でお願いすれば、それなりに満足できる総入れ歯はできます。
でも、歯が何本か残っていれば、もっと良い入れ歯ができるのです・・・。
だから、あなたに知っておいて欲しいのです。
あなたの大切な、残り少ない歯が有効利用できることを・・・。
抜いてしまって、後悔しないために・・・。
歯医者さんで、あなたの残っている歯が3本程度で、
「全部抜いて、総入れ歯にしましょう」
と言われたら
先生に、質問してください。
「この少ない歯を残して、ドイツ式入れ歯にできますか?」
って。
そして、
「磁石式の入れ歯は嫌です。」
って、お願いしてください。
よく世間では、総入れ歯に磁石を付ける医院が多いですが、良くありません。
私も、昔はたくさんやりました。今は絶対にやりません。
歯の残っている場所によっては、大丈夫な場合もありますが・・・。
多くのケースで、磁石がテコの支点になり、入れ歯がガタつくからです・・・。
都合よく、テコの支点にならないような場所に歯が残っているケースはほとんどありません・・・。
そして残っている歯が3本以下の場合には、ドイツ式入れ歯が最適なのです。
レジリエンツテレスコープ義歯
このドイツ式入れ歯は、見た目は総入れ歯ですが、入れ歯の裏側には穴が開いていて、その穴に歯がはめ込まれます。
そして、噛んだ時にテコの支点にならないように、入れ歯の沈み込みを計算して歯と入れ歯の間に、隙間を空けているのです。あなたが、ぎゅーと噛みしめた時だけ、最後に歯と入れ歯が接触する構造になっています。
とても理にかなった入れ歯です。ただし、この入れ歯は日本では普及していません。
ネットで検索すると、ほとんどが私の所属するIPSG包括歯科医療研究会の関係者だけです。
参考までに、下記のページもご覧ください。
★レジリエンツテレスコープ式部分入れ歯
では、症例をお見せしますね!
残りの歯が、1本~4本の症例
①残りの歯が1本の患者様
冠がかぶせてあります。
冠を外して、入れ替えました。
入れ歯の表側です。金属の歯で製作しました。
入れ歯の裏側です。穴が開いていますね。
治療後です。
参考までに、治療前です。
②残りの歯が2本の患者様
内側の冠です。
入れ歯の表側です。
治療前です。
治療後です。
③残りの歯が、3本の患者様
入れ歯の表側です。
入れ歯の裏側です。
治療前です。
治療後です。
④残りの歯が、4本の患者様
内側の冠です。
入れ歯の表側です。
入れ歯の裏側です。
残りの歯が少なくなっても良く噛める入れ歯が欲しいあなた、ぜひご相談ください。
お待ちしています。