「歯科治療の最高峰!総入れ歯治療!」
「保険診療で、高機能な総入れ歯が
提供できない理由とは?」
「世界初!上下顎同時印象法を見てください」
総入れ歯が歯科治療の最高峰って、ご存じですか?
下の写真を見てください。
60代男性の患者様です。
インターネットで入れ歯が得意なクリニックを検索され、来院されました。
ご覧の通り総入れ歯の症例になります。

上アゴの状態です。

下アゴの状態です。

さてご相談の結果、総入れ歯を製作する事になったのですが
この方は入れ歯をお持ちではありませんでした。
紛失されたのではありません。
日常生活をこの状態でお過ごしなのです。
多くの患者様の総入れ歯は、問題点だらけです
あなたはビックリされると思いますが、
おそらく歯科医にとっては珍しく無いと思います。
何らかの入れ歯をお持ちでも、お食事の時は装着していない方も沢山います。
理由は、痛くて噛めないからです。
入れ歯は、人に会うお出かけの時にしか装着しないという方もいます・・・。
食べるための道具なのに、入る時に外すお風呂のフタみたいですね・・・。
もっとも多いのが、あちこちの歯医者さんで作った入れ歯を5~6個お持ちの方です。
極めつけは、歯医者さんで新しい入れ歯を装着した日に
痛くて噛めないのでゴミ箱に捨てた人も居ます・・・。
入れ歯だから、見た目が悪かったり痛いのは仕方が無いと諦めている方も多いです。
入れ歯専門家としては、情けなくなります。
確かに入れ歯治療は、とても難しいです。
特に総入れ歯は、歯科治療技術の集大成です。
咬み合わせ、嚥下、発音等の機能と、口元だけではなくお顔のバランスまで考えた
見た目の美しさを追求する審美まで全てを網羅する必要があるからです。
残念ながら、安価な保険の入れ歯では満足できる結果を望むのは正直無理です。
入れ歯が苦手だから、
インプラントをお勧めする歯医者さんが増えています
最近では、入れ歯に代わる治療法としてインプラント治療が急速に普及していますが、
なんとなく咬む機能を回復するだけなら歯医者さんに高度な知識や技術が必要無いからだと思います・・・。
嘘だと思うなら、インプラントを勧められたら
「入れ歯じゃダメなのですか?」って歯医者さんに質問してください。
かかりつけの歯医者さんの好みで、あなたが嫌いな治療法を勧められる事も多いのです。
もちろん入れ歯にもインプラントにも、利点や欠点があります。
どちらも万能ではありません。
あなたが求める機能や見た目、希望を歯医者さんに伝えて、
最適な治療法を選べば良いのです。
ちなみに、私はインプラント治療も大好きです。
世界初!上下顎同時印象法とは?
話をもどしますね。
今回の患者様は、自費診療の入れ歯をご希望されました。
当院が専門のドイツ式入れ歯です。
全てが保険の入れ歯と違います。
と言うことで今日は、歯型採りの流れをご紹介します。
下の写真を見て下さい。
これは、下アゴの歯型採りの器具です。
ドイツ製です。
歯医者さんに聞けば解りますが、
実は総入れ歯の下アゴの歯型採りはとても難しいです。
でもこの器具を使えば、比較的簡単に綺麗な歯型が採れます。
とは言え、慣れないと最初は難しいです。
型を採る材料の硬さやお口の中に挿入するタイミング等、アシスタントスタッフにも技術が必要です。
でも、そもそも入れ歯の正しい形態の知識が歯医者さんに無ければ役に立ちませんが・・・。

その前に、日本の歯医者さんが総入れ歯に興味が無いのでしょう
数年前に、国内販売が終了しました。もう日本では購入できません・・・。
下の写真が、その器具で採った下アゴの歯型です。
でも、これで終わりではありません。

歯型の辺縁を大胆に切り落とします。

切り取る理由は企業秘密です。
そして、切り取った部分を修正します。
特殊な接着剤を塗って、もう一度歯型を採るのです。
完成した歯型が下の写真です。
専門家が見れば、違いは歴然です。

同様に、上アゴも採ります。
1回目の歯型。

辺縁を削除します。

2回目の仕上げ後です。

合格点のレベルですよ。
でも、またまたこれで終わりではありません。
この歯型から製作した模型で、さらにあなた専用の器具を作ります。






このあたりから、多くの歯医者さんでは見た事もやったこともない工程に入ります。
お見せした器具は、歯型採りとアゴの動きを調べる事が同時にできる特殊な物です。
下の写真が、下アゴの器具です。
3カ所にピンが埋め込まれています。
ゴシックアーチトレーサーと呼びます。

下の写真が、上アゴの器具です。

アゴの動きに合うように半径4インチの曲面に加工されたプレートが付いています。
下アゴのピンで、上アゴのプレートにアゴの運動を記録するのです。
目的は、あなたの咬みあわせの中心を決定するためです。
下の写真が、前後左右のアゴの運動記録です。


この3本の線が交わる点があなたの咬みあわせの中心です。
そこに凹みをつけます。

凹みに、特殊なインクを詰めます。

その位置で咬んで歯型を採るのです。
入れ歯の歯型は、歯肉の型を採ります。
咬む力が加わった状態で、歯肉や筋肉の記録が必要なのです。
多くの歯医者さんの歯型採りは、お口を開いたままですよね。
それでは、正確な歯型は採れません。
さらに当院の歯型は、上下のアゴの歯型を一塊にして採得します。
舌や頬の筋肉等、お口の中の全ての記録が採れます。
下の写真が、歯型を横から見たところです。
かかりつけの歯医者さんが見たら、ビックリしますよ。

上アゴです。

下アゴです。

後ろから見ると、舌の歯型も採れています。

きちんと咬合器という精密なアゴの動きが再現できる器械に装着されています。
実は、多くの歯医者さんはこの器械を持っていません。
嘘だと思うなら、歯医者さんに見せてもらってください。
私は、数十台所有していますよ。


この画像の咬合器はドイツ製で、備品も入れたら50万円以上します。
もっと高価な物もあります。
高価な器材が有れば良い仕事ができる訳ではありませんが、
良い器材が無ければ精度の高い仕事はできません。
次回は、いよいよ歯を並べて仮合わせです。
また、ご紹介しますね。
歯医者さん選びは難しいですね。
ではまた。