「歯は削った方が長持ちする！って本当ですか？」
　まずは、これを読んでください。
私が書いた小冊子から抜粋しました。
・・・第一章　入れ歯大国日本！原因は歯医者だった！
「あー、また銀歯がとれちゃった、歯医者に行かなきゃ！」
　あなたは過去に虫歯で治療を終わらせた歯でも、
その後何度も治療をしていませんか？
これは、あなたの歯の質が特別弱かったからでしょうか？
それとも単に、その歯医者の腕が悪かったからでしょうか？
いいえ違います！
けれど、これは全国どこでも、
毎日、患者さんの身に起こっている事実です。
けっして、歯医者の腕が悪いせいではありません！
あなたは、私たち歯科医が、
患者さんのために懸命に行った治療にも
寿命があることを知っていますか？
たとえば、銀歯をかぶせたとします。
噛んだ時、人間の奥歯には
自分の体重ほどの力がかかります。
毎日毎日、銀歯にかかる強い力は、
金属の銀歯をも変形させてしまいます。
すると銀歯と歯をくっつけていた接着剤が溶け出し、
その隙間に虫歯菌が繁殖し歯を溶かすのです。
また、神経を抜いて枯れ木のように
もろくなってしまった歯は、強い力に耐えられず、
根が折れてしまう事もよく起こるのです。
まして、ブリッジの土台として使うと、
失った歯にかかる力まで負担することになるので、
その確率がさらに高くなります。
次のデータをご覧ください。
【　クラウン、ブリッジの寿命　】
患者さんに装着したかぶせ物が何らかの原因により、
５０パーセントがダメになる年数は、
　　　インレー、クラウン　　約５年
　　　ブリッジ　　　　　　　約７年
「インレー」とは、虫歯をとりのぞいた後に
つめる金属の小さなつめもの。
「クラウン」とは、金属のかぶせ物、
銀歯のことです。
「ブリッジ」とは、失った歯の前後の歯をけずり、
それを土台として
クラウンを何個かつないだもの。
土台として必要であれば虫歯ではない
健康な歯でも削ることになる。
虫歯は自然には治りません。
しかたなく削ることもあります。
けれど、その治療には寿命があるのです。
「５年おきのやり直しなら満足、私は気にしないよ！」
という考えをお持ちになるなら、それはとても危険です。
なぜなら、１本の歯を５回治療すると、歯を抜く確率が
非常に高くなるというデータがあるからです。
仮に、六歳で虫歯になり初めて治療で歯を削ると、
５回目の治療の三十代で歯を失う計算になります。
あなたが治療を選ぶ時、その寿命を考えずに治療法を
選んでよいのでしょうか？
　
歯を守るのが仕事であるはずの歯医者が、結果的に、
実は確実に歯を失わせ、入れ歯にする手助けをしていたのです。
ブリッジは入れ歯の運命を加速させます！
初めて歯が抜けたとき、
１本や２本抜けた場合はブリッジを選択します。
なぜなら、
「隣の歯を土台にして、ブリッジにすればまた元の歯のように、
噛めるようになりますから大丈夫です。心配いりませんよ！」
と多くの歯医者さんも、ブリッジをすすめるからです。
しかし、よく考えてください。
歯を失ったあなたへの、やさしい歯医者さんのすすめで、
ブリッジにした歯も、約７年で治療のやり直しの確立が高くなるのです。
運よく、やり直せればよいのですが、残念ながら
その多くは抜歯の運命となります。
例えブリッジの支えにするために削った歯が、虫歯のない
健康な歯だったとしても約７年程度で再治療の確率が高くなるのです。
ブリッジの土台として無ければ、
一生使えたかもしれないのです。・・・・
いかがですか？
これを読んだら、歯を削るのは、絶対に避けたいですよね？
私だって、そう思います。
だったら全然、話が違いますよね・・・？
「歯は削った方が長持ちする・・・？」
じゃなくて、
「歯は削ると、寿命が短くなる」
ですよね？
でも、本当なんです。
歯を削った方が長持ちするんです・・・。
ただし、条件があるのです。
その条件とは、
①歯並び（咬み合せ）が悪い場合です。
②部分入れ歯の支えに、残された歯を利用する場合です。
理由は、歯並びが悪い場合は、
そのずれにより歯にストレスがかかって、
ひびができて、そこに細菌が入り、
虫歯になるリスクが高まります。
さらに、歯周病も悪化させてしまう可能性があるのです。
それを証拠に歯医者さんでは、
虫歯の無い歯が、悪い咬み合せの影響で
歯周病が悪化し
毎日のように、抜かれていますよ・・・。
もしかして、あなたもそうですか？
　何も考えないで、
あなたに「削らない事ばかり」を勧めている
歯科医が多いのです・・・。
歯医者さんも、勉強不足で気づいていないのです・・・。
怖いですね・・・。
そして最近、
「歯を削るのが悪い事だから、
インプラントにしましょう～！」
みたいな、ホームページ広告をよく見かけますよね・・・？
インプラントの営業をする前に、
その歯を失った本当の原因を探して、治療するのが先だと思うのは
私だけでしょうか・・・？
また、歯を失いますよ・・・。
　さらに、咬み合せの不具合は、
歯だけでは無く、全身まで悪影響を与えるのですよ・・・。
適切な咬み合せの診査、診断の元に、
歯を削り、咬み合せを整える事は、
歯の延命になるのです。
もちろん、保険外の精度の高い治療を選んでください。
　そしてもう一つの理由の、部分入れ歯の支えに、
残された歯を利用する場合ですが、
あなたに知って欲しい、入れ歯の落とし穴があります。
　入れ歯と入れ歯のバネがひっかかる歯は、
噛む度に強い力がかかり一緒に揺らされます。
つまり、バネのかかる歯が揺れて動くから
入れ歯の下の歯茎も強く押され、こすれて痛いのです。
最悪は、歯が抜けてしまうのです・・・。

　しかし、一本で揺れる歯も、
数本単位でつないでがっちりさせることで、
バネがかかっても動かない支えになります。
しっかりした支えに、精度の高い留め金をつけて、
入れ歯がピタリとはまる設計です。
これにより噛んだ時に、入れ歯が沈むのを少なく抑え、
顎の骨の負担を少なくすることが可能になるのです。
「動かないから痛くない、しっかり噛める入れ歯」の完成です。
　ただし、部分入れ歯のために、
土台にされた歯は、弱っている場合がほとんどです。
　ガタつかない入れ歯にするために、
バネのかかる隣の歯、
そしてまたその隣の歯と削る必要もあるのです。
「弱い歯どうし」を連結、
時には「健康な歯」も含めて削ることもあるのです。
それは、「予防補綴」と言われています。
　虫歯の予防とは違いますが、
中高年で、部分入れ歯のあなたが、
これ以上歯を失わないように
意図的に歯を削り、冠を被せて補強するのです。
歯の延命処置なのです
　さらに、私の専門のドイツ式入れ歯は
万が一、支えの歯がダメになっても、
修理しながら長く使用できるように
設計を工夫しています。
下の写真は、６０代の女性です。
残せる歯は、これだけです。
しかしすべての歯が、弱っています。
咬み合せの強い力で、いつどこの歯が
ダメになるか解りません・・・。

延命のために、連結固定しました。

その上に、ドイツ式入れ歯がはめ込まれます。

　内側の歯がダメになっても、
外側の入れ歯は修理して長く使えます。
いかがですか？
もちろん、生涯、健康なままで
歯を削らないで済むのが理想ですが、
何の根拠も無く、
「削らない歯医者さんが、良い歯医者さん」
とあなたが考えているなら、大きな間違いですよ・・・。
歯医者さん選びは難しいですね
ではまた。