「赤ちゃんと奮闘しているお母さんへ!
指しゃぶりやおしゃぶりは止めちゃだめですよ!」
前回のお話は噛むことの大切さについてでした。
咬むことでアゴの骨に力が加わり正常に発育して、綺麗な歯並びになるというお話。
そして、最近は虫歯のお子さんは減ってきましたが、歯並びが悪いお子さんが増えて来たというお話です。
そこで、今回はなぜ日本人の歯並びがこんなに悪くなってしまったのか?
日本の間違った歯の常識についてのお話をします。
下の写真は、30代の患者さんのお口の中です。
歯並びが「Ω」のマークみたいな電球のような形になっています。
これでは、お口の中が狭くなり舌の居場所が無くなり、
ノドの方に押し込まれるようになります。
そうすると、呼吸も苦しくなるために口呼吸になります。
聞いたことがあると思いますが、睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります・・・。
中高年の突然死の原因です・・・。
あなたは、大丈夫ですか?
さて、本題です。
あなたも聞いた事があるかも知れませんが、
「最近の子供は、アゴが小さくなった」
とか
「アゴが小さくなった原因は、
ハンバーガーやカレーライスなどのファーストフードなど柔らかい食べ物のせいである」
というものがあります。
もちろん、硬い物を良く噛んで食べることがアゴの発育に大切なことに異論はありません。
私も毎日、あなたのようなお母さんにお話ししていますよ。
でも、日本人だけがここ30~40年位で、
なぜこんなに歯並びが悪くなってしまったのでしょうか・・・?
30~40年で、日本人だけが急激にアゴの骨が小さく進化(退化)したのでしょうか?
ありえません!
進化(退化)は、数万年~数十万年かけて少しずつ起こるものです!
実は、日本人の子供のアゴは小さくなっていなかったという報告もあるのです・・・。
ハンバーガーなどのファーストフードが日本の何倍も食べられているアメリカでは大問題になっているハズですよね・・・?。
そんな話聞いた事がありません・・・。
私の矯正治療の師匠のポール先生は、本の中でこう書かれています。
日本人の歯並びがこんなに悪くなったその原因は・・・?
①赤ちゃんのおしゃぶりをやめたから!
②指しゃぶりも好ましくないとやめさせたから!
③虫歯予防のために甘い物をやめさせるのに、ガムもダメと言われだしたから!
です。
あなたはおしゃぶりや指しゃぶりは何のために必要か知ってますか?
実はおしゃぶりや指しゃぶりは生まれた時から自然に、お口の周りやお口の中の筋肉、
特に舌の筋肉を鍛えるのにとても重要な役割をしているのです。
それなのに、衛生上良くないとか、
上と下の前歯の間が開いて(開口と言います)歯並びが悪くなるなどの理由で
悪い事のように思われているお母さんも多いのです・・・。
確かに、日本人の子供の虫歯は減ってきました。
しかし、おしゃぶりやガムが消えたために赤ちゃんから幼児期、そして小学校の頃までにやらなければならない
「唾液が出る~唾液を飲む」という舌の筋肉をつけるための運動が行われなくなってしまったのです。
アメリカでは、子供の頃から「ガム噛み競争」があるそうですよ!
生まれたらお医者さんが、赤ちゃんにおしゃぶりを突っ込むそうです!(笑)
食べ物を飲み込むという事は生きることです。
人間にとって、将来生きることそのものを鍛錬する行為が絶たれたのです。
舌の筋肉の発達が未熟な子供たちは、柔らかい物しか飲み込む事が出来ません。
噛んで食べるとうまく飲み込めないので、口に物を溜めてしまいます。
そのために、常に柔らかくて飲み込みやすい食べ物を好むようになります。
そして、ますます舌の筋肉が育たないので、
アゴの骨に刺激が加わらず歯が綺麗に並ばなくなってしまうのです。
人間の本能がそうさせている行動である、
指しゃぶりや唾液を出させるような自然な行動はむしろさせなくてはいけないのです。
生きていく上で必要な酸素をいっぱい取り込むために必要な原点は
①舌の筋肉を作る事
②唾液をいっぱい出して飲み込み、きれいな歯並びを作る事
です。
では、まとめますね。
生まれたばかりのあなたのお子さんに必要な事は
①生まれてから2歳までは、必ずおしゃぶりを与え舌の筋肉を鍛えるること!
2歳半くらいからそろそろやめる準備をして、やめるのは3歳くらいを目安にしましょう!
あわてる必要はまったくありませんよ!
母乳が理想ですが、哺乳瓶なら穴が小さくてミルクが出にくいヌークがお勧めですよ。
国産のピ〇〇ンはよく無いですが、最近ヌークをまねて改良されてきたようです。
②3~4才を過ぎたら、キシリトールガムを噛ませましょう!
唾液が出るし、虫歯の予防にもなりますよ!
ポール先生の本の名前は以下になります。
「心身の健康を作る
歯の矯正」
お勧めですので、是非読んでください。