「歯周病で、
もう抜くしかないって言われたあなた！
歯医者さんに質問してください」
歯科業界はインプラントブームですが、
急激に普及してきたためか、トラブルも多いようです。
そんな影響もあるのか、
週刊誌でも歯医者さんがよく虐められています。


この記事の内容は、
「歯医者さんが抜かなくても良い歯まで抜いて
インプラント治療をやっている」
みたいな内容でした。
本当か嘘かは、
その治療を行った歯医者さんしか解りませんが、
これだけは言えるのは、その歯医者さんが、
インプラント治療が、
目の前の患者様に最適だと判断した事です。
そもそも結果が良ければ、
問題にはならないのでしょうが、
やっぱり不満足な結果が、多いのかもしれませんね・・・。
明日は我が身なので、
縁あって当院を選ばれたあなたには
喜んでいただけるように、気を引き締めて頑張ります。
さて、あなたが残念にも歯を失う多くの原因として
歯周病がありますよね？
「歯医者さんが抜かなくてもいい歯まで抜いて、
インプラント治療をやっている」
みたいな内容の記事も、運悪く？
その先生が、あなたの歯周病が治らないと判断したから、
「抜きましょう」となったのです。
実際、重度の歯周病は本当に治療が大変です。
特に、奥歯は困難を極めます・・・。
なぜなら、奥歯の根っこが複雑な形をしているからです。
下の写真は、上の歯の奥歯です。
模型の歯に、人工の歯石が付けてありますよ。


根っこが３本あります。
こんな複雑な形をしている根っこの周りに
歯石がこびりついたら、完全に綺麗に除去するのは
正直、難しいのです・・・。



だからといって、
歯石を除去しなければ、
歯周病はどんどん進行していきます。
最後は、自然に抜け落ちてしまいます・・・。
でも、一つだけ望みがあります。
それは、３本の根っこの中に、
１～２本、歯周病の進行が遅れている
根っこがある場合です。
その時は、
歯周病が重症の根っこだけを抜歯して、
根っこの周りの歯石を、除去しやすくするのです。
根っこの数は減りますが、
すでに歯周病で役に立たない根っこです。
その根っこを放置すれば、
他の根っこまでダメになります・・・。
苦渋の策ですが、
あなたの歯を救うには、これしかないのです。
「すぐに歯を抜いて、
入れ歯やインプラントにする」
という選択もありますが、
あなたや、歯医者さんがあきらめなければ、
抜かないで済む可能性はありますよ。
実際の症例で説明しますね。
左上の奥歯の、レントゲン写真です。

銀歯を除去しました。
歯医者さんが見れば、重症の歯周病と一目で解ります。

まずは、３本の根っこの１本を抜きました。

でも、歯周ポケットが少し残っています。
そこで、歯石を除去しやすいように
２本の根っこを、１本づつに分けました。

これで歯周ポケットは、２ミリ以下になりました。
ちなみに歯周ポケットの正常範囲は３ミリ以下ですよ。
銀歯を被せてみますね。
歯間ブラシが通るか確認していますよ。


銀歯の裏側です。

術後です。
見た目は銀歯ですが、
限られた予算なので仕方がありません。
でも、大切なのは見た目ではありません。
インプラントに頼らず、自分の歯を残せた事です。

インプラントばかりを勧める歯医者さんが、
悪い歯医者さんみたいに言われていますが
ここまで、頑張って歯を残せない場合は
仕方が無いと思いますよ。
でも頑張ってくれる歯医者さんは、
とても少ないと思いますが・・・。
歯周病のあなた、あきらめないでくださいね！
探せば、どこかに良い歯医者さんがいますよ。
もしかしたら歯を残せるかもしれませんよ！
歯医者さんに、抜くって言われたら質問してください。
「先生、抜くのは悪い根っこだけにしてもらえませんか？」
って。
あなたが、良い歯医者さんに出会える事をお祈りしますね。
ではまた。