「年頃のお子さんをお持ちのお母さんへ！
一生の問題です、無茶な治療はやめてくださいね・・・。」
下の写真を見てくださいね。

高校生の男の子です。
どこが問題か解りますか・・・？
簡単ですよね？
上の前歯３本が、下の歯の内側に隠れていますね・・・。
反対咬合と呼びますよ。
歯医者さんの教科書では、
連続して３本以上の歯の上下関係が、
逆の場合に反対咬合と呼んでいます。
人間には、上アゴの歯と下アゴの歯がそれぞれあります。
多くの人たちが、上の歯が下の歯よりも外側にある形になってます。
この上下の歯のかみ合わせが逆である場合、
反対咬合という名で呼ばれます。
ちなみに、奥歯（臼歯）の場合は、
「臼歯部交叉咬合」と呼ばれますよ。
もし反対咬合の人のほうが多数だったら、
反対咬合のほうが、正常咬合になるかもしれませんね・・・。
しかし、咀嚼や発音などの機能を考えると
反対咬合のほうが不利なのです。
その反対咬合も、２つのタイプに分けられますよ。
①上アゴと下アゴの位置関係が、
とにかく下アゴが前にある場合
②上アゴと下アゴの位置関係が正しくても、
上の前歯が後ろに引っ込んでいる場合や
下の前歯が前に出ている場合があるのです。
そこで、歯医者さんが治療をする時に
どんな反対咬合の治療が難しいか教えますね。
①番目の、骨格的に下アゴがとにかく前に
ズレているほど難しいのです。
②番目の、上の前歯や下の前歯の角度に
問題がある場合は、比較的簡単なのです。
最初の写真に戻りますね。

この患者様の場合は、骨格的にはほとんど正常です。
上の前歯が、後ろに引っ込んでいるのが問題なのです・・・。
下の写真は、上の歯ですよ。

全体の歯並びをよ～く観察すると、
３本の前歯が、後ろに引っ込んでいるのが解りますか？
治療法は上の前歯で、後ろに引っ込んでいる
３本の歯を前に出してあげるだけです。
もちろん、全体の咬み合せまで整えるのが理想ですが
見た目の問題は、比較的簡単に改善します。
ちなみに反対咬合で困る事は、
①生命には関係ありませんよ
②アントニオ猪木さんくらい出ていると、
下アゴの出ている部分をぶつけやすいようです。
③咀嚼能率は落ちます。（前歯でかみ切れません）
④しゃべり方が正常咬合の人と異なります。
舌の使い方の影響ですよ。
⑤飲み込みも、丸飲みに近くなるようです。
⑥見た目、顔貌の問題があります。
「しゃくれ、あご、イノキ」のように、
あだ名が付けられたりしちゃいます・・・
この写真の患者様も、
見た目の問題を気にされての来院でした・・・。
骨格的には、ほとんど正常なので
「しゃくれ、あご、イノキ」のように、
あだ名が、付けられたりはしないのですが、
記念写真で、歯を見せて笑えないのが悩みでした・・・。
夏休み中に来院されて、１か月の休み期間中に、
治したいとの強い希望でした・・・。
夏休みには、同じような悩みのお子様も多いです。
以前に、同じような悩みの女の子がこの前歯を抜いて、
インプラントに置き換えてでも、短期間で改善したいという子供さんもいましたよ・・・。
最近はインターネットで見かけましたが、
短期間で受け口の治療を売り物にしている医院も
出てきましたが大丈夫なのでしょうか・・・？
もちろん、インプラントにしたところで到底無理です・・・。
まして、高校生ですよ・・・。
さすがに１か月間での、治療終了の約束は難しいので
今回はお断りしました。
でも通常３ヶ月～６か月あれば、前歯の問題だけなら、
おそらく改善できますよ。
人それぞれ、譲れない問題があるとは思いますが
これからの人生を考えれば、高校生ですから、
無茶な治療は避けるべきです。
もちろん、年齢は関係ありませんよ・・・。
矯正治療で治すのが、最善です。
現代は、インターネットで大量の情報が得られます。
素人のあなたが、間違った考えを持つのは仕方が無い事です・・・。
くれぐれも、治療法選びは慎重にしてくださいね・・・。
ご両親が、しっかり見守ってあげてくださいね。
一生の問題ですよ・・・
ではまた。