「小学生のお子さんをお持ちのお母さんへ！
　黒くても、削らなくて良い虫歯もありますよ」
　お口に対する健康意識の高いあなたや、
小さな子供さんをお持ちのお母さんは、
ご自分や子供さんの歯を見た時に、
黒くなっていると
虫歯だと思いますよね・・・？
下の写真みたいに・・・。

そして、慌てて歯医者さんに行きますよね・・・。
　とても良い事なのですが、
注意しなければいけない事があります。
　お子さんの学校検診の結果をよく見ると、
ＣＯとかＣとか、記号が書いてありますよね・・・？
ＣＯとかＣと言うのは、虫歯の程度を表す印なのですが
このＣＯと言うのが、問題なのです・・・。
　説明しますね。
ＣＯと言うのは、要観察歯と言って
初期虫歯を疑われますが、
もしかすると削らないで放置しても、
虫歯が進行しないで、
再石灰化する可能性があるので
様子を見ましょうという状態なのです。
　この再石灰化と言うのは、
テレビＣＭの歯磨剤の宣伝で、
聞いた事もある方も多いと思います。
今さら説明もいらないかもしれませんが、
少し、説明しますね。
　実は、歯の再石灰化ってスゴいんですよ、
再石灰化 と言うのは、
歯の表面が脱灰（溶ける）されても、
初期虫歯であれば、
再石灰化が起こることで修復が行なわれ、
虫歯になるのを防ぐことが出来るのですよ・・・。
　さらに再石灰化現象では、
溶かされた歯の表面のエナメル質を、
ただ元に戻すのではなく、
なんと、
結晶構造を変化させて、
溶ける前の歯よりも硬くて
虫歯に強いエナメル質に
変化させることが出来るのです～。
虫歯のように見えるＣＯって、すごいんです。
正式には、
COとは[Questionable Caries for Observation]の略で、
要観察歯と称されます。
　学校歯科医会のパンフレットによれば、
「探針を用いての触診ではう触と判定しにくいが
初期病変を疑われるもの、
小か裂溝の着色や粘性が触知され、
または平滑面における脱灰を疑わせる
白濁や褐色班が認められるが、
エナメル質の軟化、
実質欠損が確認できないものである。」
と記述されています。
何だかよく解らないと思いますが、
簡単に言えば、
COは初期う触を疑われますが、健全歯の仲間です。
何も治療する必要がありません。
　では、このＣＯの状態の歯の
何が問題なのでしょうか・・・？
問題は、２つあります。
一つは、あなたの問題
もう一つは、歯医者さんの問題です。
　では、最初にあなたの問題です。
ＣＯという状態は虫歯では無いので、
削る必要はないのですが、
１度は虫歯になりかけた状態なので、
今は大丈夫でも、
定期的に歯医者さんで、虫歯予防のための
検診が必要だという事です。
　特に、再石灰化しかけている途中の歯
特に、子供さんの出てきたばかりの永久歯の時期
は特に大切ですよ。
　そして、２つ目は歯医者さんの問題です。
それは何かと言うと、
学校歯科医会のパンフレットにも書かれていた、
「探針」という器具です。
下の写真の器具です。

先の尖がった金属製の器具です。

歯医者さんに行けば必ずある器具です。
これで虫歯の状態を確認したり、
狭い場所の虫歯を探すのですが、
この使い方が、問題になるのです・・・。
説明しますね。
　もしも、あなたやあなたのお子さんのＣＯの歯が
まだ石灰化の途中で、歯が柔らかかったとしますね、
そこをこの硬い金属性の探針でガリガリやったら
どうなると思いますか？
もちろん、穴が開きます・・・。

　歯医者さんが何もしなければ、
硬い丈夫な歯になる事が出来たのに・・・。
「ギャー、やめてー」ですよね・・・。
「うちの大切な子供の歯を、
どうしてくれるんだ～」
って、知ってたら泣きたくなりますよね・・・。
　再石灰化する前の、ＣＯの可能性のある歯は、
探針で虫歯の状態を診査してはいけないのです。
一度、歯に穴が空いたら元には戻らないのですよ・・・。
歯医者さんも、悪気はないのでしょうが・・・。
　海外では、数十年前、1960年代後半から
歯科用探針による診査がエナメル表層を破壊し
齲蝕を誘発する可能性があるとする研究が報告され、
米国歯科医師会(ADA)は、
探針の使用に警告を発しています。
そこで、優しい真面目な歯医者さんはこの器械を使います。

レーザーで再石灰化の状態が解る優れものです。
私の大好きな、ドイツ製です～！
　虫歯予防の先進国では、
１０年以上前から虫歯の診査はこれですよ・・・。
私も国内で発売されてから、すぐに購入しました。

私は、探針で虫歯の診査はしませんよ。
あなたのためですから。
　虫歯に反応して、
「ブ～」って警報が鳴りますよ。
そして、再石灰化の状態が数字で表示されます。
下の表が、その目安です。


メーカーでは、数字が３０前後で虫歯の治療を
勧めていますが、
私は、４０位までは、削りません。
　長年の経験で、４０位の数字でも十分、
再石灰化している虫歯がたくさんあるからです。
もしも、
この器械をかかりつけの歯医者さんが
持っていても、
歯を削ってもらう前に
歯医者さんに確認してくださいね・・・。
「絶対に、削らないとダメですか？」
って、
「再石灰化は、無理ですか？」
って・・・。
「虫歯の検査に探針で、ガリガリだけは
やめてください」
も、お忘れなく
幸運を祈ります・・・。
あなたの、大切な子どもさんの一大事ですからね・・・。