「子供の歯並びでお悩みのお母さんへ！
梅干しを見せるだけで、歯並びが良くなる方法！」
先日、私が校医をさせて頂いている小学校の
歯科検診に行って来ました。
少子化の影響で、年々児童の数が減っていますが、
結構疲れます・・・。
最後は、声も枯れてきます・・・。
さて、年に2回の検診で毎年感じる事があります。
虫歯は少ないのですが、
歯並びの悪い児童が、とても多い事です。
全校生徒２４３人中１５８人、
何と６５％の児童に歯並びの問題があるのです・・・。
厳しく検査をすれば、
おそらくもっと増えると思います。
異常事態ですね・・・。
もしかして、あなたの子供さんは大丈夫ですか？
そしてあなたは、
こんなお話を聞いた事はありませんか？
「現代の子供たちは、アゴの成長が悪い・・・」
というものです。
本当でしょうか？
以前もブログで書きましたが、
どうやらこれは間違いらしいです。
最近では、
「現代の子供たちのアゴは小さくなっていなかった」
という研究論文が沢山でてきたからです。
では何故、アゴの大きさが正常なのに、
歯並びが悪くなるかと言うと、
歯が、内側に倒れてしまっているからなのです。
アゴの大きさは正常でも、
歯が内側（舌側）に倒れれば
全体の歯並びは小さくなるのは、
何となく解りますよね？
そのために、
歯が並ぶ隙間が無くなってしまうのです。
では、なぜ歯が内側に倒れてしまうのでしょうか？
歯の内側にある物が、犯人なのです。
さてそれは、何ですか？
そうです、
歯の内側にある、舌です。
ここで、あなたに知って欲しい大切な事があります。
歯並びは、
「歯を、内側と外側から挟みこんでいる
舌と唇や頬の筋肉の影響で、
歯の並ぶ位置が決定されてしまう。」
という事です。
「内側の舌と外側の唇（頬も）が、
お互いに押し合ってバランスが取れた位置に、
歯が並ぶのです。」
つまり、
アゴの大きさが正常なのに
現代の子供たちの歯が、
綺麗に並びきらないのは
歯を内側から支えている、
舌の筋力が無いからなのです。
舌の筋力が正常ならば、
歯を内側から外側に、
押し広げる事ができるのです。
では何故、
現代の子供たちは、
舌の筋力が無いのでしょうか？
それは、
飲む訓練をして来なかったからなのです。
舌は、飲み込む訓練をする事で鍛えられます。
その最初の訓練が、
赤ちゃんの時の、授乳やおしゃぶりなのです。
日本では、おしゃぶりを咥えている
赤ちゃんをほとんど見かけませんが、
欧米では、
赤ちゃんはみんなおしゃぶりを咥えていますよ。
海外旅行に出かけたら、赤ちゃんを見てください。
赤ちゃんが指しゃぶりをしたり、
何でも口に入れるのは、
唾液を出すためなのですよ。
オッパイやおしゃぶりを、
吸う・吸う・吸う・吸う・吸う・吸う・吸う、
母乳や唾液を、
飲む・飲む・飲む・飲む・飲む・飲む・飲む、
それで、舌が鍛えられるのです。
そして、正しい飲み込み方
（嚥下の時の正しい舌の位置）を学習するのです。
あなたの周りの赤ちゃんが、
おしゃぶりを咥えてていなかったら、
お母さんに教えてあげてくださいね！
①３歳まで、おしゃぶりを咥えさせること
②指しゃぶりをしていても、止めさせないこと
そうしないと、アゴは正常に発育しませんよ！
よく言われている、
アゴの成長
（正確には、歯が倒れているのを起こすため）
のために、
「歯ごたえのある食材を選んで、
何回も良く噛んで食べましょう」
と言うのは、
よく噛めば、唾液が沢山出るので、
飲み込む回数が増える＝舌が鍛えられる、
舌が鍛えられる＝歯を内側から起こす力が増える
という流れがあるからです。
極論ですが、
唾液さえ豊富に出てれば、
飲み込む訓練はできますから、
硬い物を噛む必要はありません。
もしも赤ちゃんが、
梅干しやレモンが、酸っぱいって知っていたら、
おしゃぶりも指しゃぶりもさせないで、
梅干しやレモンを目の前にぶら下げておけば、
良いかもしれませんね！
参考までに、
たった３ヶ月で歯並びが改善した
症例をお見せしますね！
歯が内側に倒れているために、デコボコです・・・。

そこで、
内側に倒れた歯を起こす針金を装着しました。

外側からは見えないので、
お友達にも気づかれませんよ！
そして、３か月後です

治療前です、前歯が内側に倒れて、
重なっていますね。

３か月後です。こんなに隙間ができました。

この患者さんの例をみても、
歯並びが改善した理由が、
アゴが発育したためでは無いことが、
理解できると思います。
なぜなら人間のアゴが、
たった３か月で、こんなに成長するはずが
無いからです！
そして、
大切な事は、１２～１３歳までは、
なるべく内側から、
倒れた歯を起こしてあげるような
矯正装置を使う事です。
だって、外側から針金で縛ったら、
外側には成長できません・・・。
あなたの、周りにいませんか？
小学生で、外側から針金で縛っている子供さんが・・・。
ではまた。