「気の毒なので、高額な入れ歯を装着したのに、
　ポリグリップが手放せないあなたは読まないでください！」
以前の記事の続きです。
下の写真を見て下さい。
７０代の患者様の上アゴの写真です。
左上に１本歯が残っていて、部分入れ歯が装着されています。
　でも、実はこの歯はインプラントです。
総入れ歯の方に１本だけインプラントを埋め込んであるのです。
入れ歯も自費で製作した高額な物です。

でも、結果は・・・。
お口を開けると、入れ歯がパカッと落っこちます。
装着したその日から、ユルユルだったそうです。
入れ歯の内側には、市販の入れ歯安定剤がべったりくっついていました。
ポリグリップの愛用者です。

長い間、入れ歯で苦労されて
知人の歯科技工士さんに紹介されて来院されました。
入れ歯を外すとこんな感じです。

入れ歯の写真です。
金属プレートで補強された高額な入れ歯ですが、
保険診療の入れ歯と同じ、よくある銀色の留め金が付いています。

裏側はこんな感じです。

　せっかく痛い思いをして、怖いインプラントを埋め込み、
さらに高額な自費診療の入れ歯を入れたのに
最後はユルユルの入れ歯という残念な結果になりました。

悪条件の組み合わせ

　写真だと良く解りませんが、
この方の上アゴの歯肉は痩せています。
元の奥歯があった後方付近に、
少し歯肉の膨らみが残っている程度です。
　さらに、咬みあわせは反対咬合です。
オマケに、下の歯は全て残っています。
上アゴが総入れ歯、
下アゴが全て自分の歯、
咬みあわせが反対咬合という組み合わせは、
悪条件のトリプルパンチです。

最高難度の部分入れ歯

　この治療を行った歯医者さんは
あくまで想像ですが、奥歯付近に残っていた骨にインプラントを埋め込み
バネを引っかけて支えにすれば、
多少は入れ歯が安定すると考えて
この設計にしたのかもしれません。
　何となく気持ちは解りますが、そもそも入れ歯の設計に無理があります。
　この患者様の場合は、総入れ歯の状態から
インプラントを埋め込むことにより
部分入れ歯の状態になりました。
　部分入れ歯は、残りの歯が少なくなるほど難易度が増します。
この方は１本ですから、最高難度です。
　インプラントを埋め込んだ結果、逆に治療を難しくしてしまったのです。
　総入れ歯が得意な歯医者さんなら、インプラント無しで
総入れ歯のままにしてくれた方が、簡単に思うかもしれません。
　日本の歯科大学では、正しい部分入れ歯の設計を教えてくれません。
当然、歯科技工士さんも知りません。
　その結果、入れ歯難民が増えるのです。
　この方は、これから総合的に再治療を予定しています。
また、ご紹介しますね。

ポリグリップのヘビーユーザーから解放されるように、総入れ歯に大改造

　ということで、突貫工事で修理します。
インプラント本体に装着されたセラミック冠を除去して
総入れ歯に大改造です。
金属プレートを樹脂で延長して、インプラント部位も樹脂で覆いました。

下が修理前です。

そして、修理後の裏側です。
穴が空いている部位が、インプラントです。
やっと、総入れ歯の正しい基本形に近づきましたよ。

下が修理前です。
入れ歯の基本形を学んでいない歯医者さんが作るとこうなります。
日本でよく見かける入れ歯です。

　現状でこのインプラントは、入れ歯の支えとしてまったく機能していません。
でも、入れ歯はポリグリップ無しでも落っこちません。
とてもお喜び頂きました。♫

インプラントも有効活用できるレジリエンツテレスコープ式部分入れ歯

将来的には、
このインプラントは有効活用します。
当院の専門であるドイツ式入れ歯、
レジリエンツテレスコープ式部分入れ歯
の技法を応用します。
歯科技工士さんの紹介ですから、
期待を裏切らないように頑張ります。
参考までに、下記のサイトもご覧ください。
★レジリエンツテレスコープ式部分入れ歯
入れ歯でお悩みの中高年のみなさん！
解決法は必ずあります！
入れ歯で、悩んでいる時間が
もったいないですよ。
今は情報があふれています。
かかりつけの歯医者さん以外も、
いろいろと検索してくださいね。
あなたが、良い歯医者さんに出会える事を
お祈りしていますね。
歯医者さん選びは難しいですね。
ではまた。