「大人になってからでは手遅れになります！
お願いですから反対咬合は、できるだけ早く治療して下さい！」
下の写真を見てください。
５歳の男の子です。
検診で、来院されました。
虫歯は１本もありませんでした。
歯磨きも良く出来ています。
お母さんが、きちんと仕上げ磨きを頑張っているおかげです。
でも、このお口には問題があります。

上の写真をよく見て下さい。
写真の右側の前歯～奥歯が、反対咬合です。
正常な咬みあわせは、下の歯の外側に上の歯が覆い被さります。
受け口は、お母さんもすぐに気がつきますが
奥歯の反対咬合は、気がつかない場合も多いです。
このお子様のお母さんも、気がついていませんでした・・・。
５歳なので、まだ永久歯は生えていませんから
永久歯が正常に生えてくる可能性はゼロではありませんが
難しいと思います。
以前の記事でも書きましたが、
人間の成長発育は、順番が決まっています。
アゴの成長は、下アゴに主導権があります。
下アゴの咬む力が上アゴに伝わって、その力で上アゴが成長します。
そして、下アゴの成長は上アゴに押さえつけられて成長がコントロールされています。
つまり、反対咬合の場合は下アゴは自由に成長してしまうので
前歯が反対なら、受け口になるし
奥歯が反対なら、お顔が曲がってしまいます。
できる限り早期に治療開始が望ましいです。
具体的には、４歳前後から症状に合わせて治療を開始すると良いでしょう。
下の写真は、４歳前後から使用可能なマウスピースです。
写真だと解りづらいですが、
真ん中の凹みに舌を乗っけるのです。
そして、唇を閉じます。

とても簡単な、トレーニングですよ。
主に受け口のお子様のお口の周りの筋力トレーニングと、
正しい舌の位置を学習するために使用します。
ちなみに正しい舌の位置は、お口を閉じてリラックスしている時は
上アゴの前歯の裏側の歯肉にくっついていますよ。
あなたは、大丈夫ですか？
このマウスピースを使用すれば、舌の正しい位置を覚えるので
乳歯の反対咬合なら、個人差はありますが２～３ヶ月くらいで治る場合もあります。
下の写真のような装置を使う場合もありますよ。
これは、上のアゴに装着する取り外し式の装置です。
お家の中だけで、大丈夫です。
学校には、外して行ってください。

いろいろな治療法があるので、年齢や症状により使い分けます。
とにかく、骨格に影響を与えるような反対咬合は
できる限り早期に治してあげてください。
人間の身体は、成長発育の時期が決まっています。
その時期を逃したら、成長は望めません・・・。
もしも歯医者さんで、様子をみましょうと言われたら
きちんと様子をみる理由を教えてもらいましょう。
できれば矯正の知識が豊富な歯医者さんの意見も聞いてくださいね。
歯医者さん選びは難しいですね・・・
ではまた。