「ヤフーニュース！
　小児歯科医院で虫歯治療後、
　２歳女児死亡の記事に一言　その①」
参考までに、記事の抜粋です。
[小児歯科医院で虫歯治療後、２歳女児死亡]
去年７月、福岡県内の小児歯科医院で虫歯を治療した２歳の女の子が低酸素脳症に陥り、２日後に死亡していたことが関係者への取材でわかりました。
　死亡したのは当時２歳だった山口叶愛ちゃんです。叶愛ちゃんは去年７月、福岡県内の小児歯科医院で局所麻酔を使用した虫歯の治療を受けた後、唇が紫色になり、目の焦点が合わない状態になりました。
　関係者によりますと、異変を訴える両親に対し、男性院長は「よくあることだ」と説明して、何の医療措置もとらず、およそ４５分後に両親が自力で叶愛ちゃんを近くの病院に運んだということです。叶愛ちゃんはその後、大学病院に救急搬送されましたが、低酸素脳症に陥り、２日後に亡くなりました。
　大学病院から通報を受けた警察は、業務上過失致死の疑いがあるとみて捜査しています。小児歯科医院の院長は「必要な措置はとったと考えている」とコメントしています・・・
　まずは、ご冥福をお祈りします。
そして、捜査中なので原因はまだ解りませんが、人ごとではありません。
もしもの備えは万全にして、
気を引き締めて診療に従事したいと思います。
　ちなみに、下の写真が当院の救急薬品や
救命器具セットが入っているカートです。

緊急時には、このカートの出番です。
上の引き出しの中には、救急薬品がいっぱい

下の引き出しの中には、救急蘇生で使用する器具が入っています。

下の写真の金属製の器具は、

　テレビドラマなどの手術シーンで
お医者さんが麻酔をかけるシーンで使用している器具です。
　気管に直接空気を送り込むホースを挿入するときに
舌を押さえて喉の奥を広げるのです。
　慣れないととても難しい処置です。
大学病院で勤務医時代に、
麻酔科の研修で何度も実際の患者さんで
練習させてもらいましたが
できれば歯医者を辞めるまで、使いたくないです・・・。
たぶん歯医者さんで、この器具を持っている人はほとんどいないと思います。
　でも緊急時に慌ててると難しいので、
失敗したら、喉に直接穴を開ける器具も準備しています。
気道が詰まれば窒息死ですから、急いでこの器具を喉に刺すのですよ・・・。
右上にある大中小の大きさの３本の器具です。

そして下の写真は、酸素吸入の機械です。

裏側は、こんな感じです。

緊急時の酸素マスクも常時ついてます。


こんな感じで使います。

もちろん、高性能な血圧計もありますよ。

お約束のＡＥＤもあります。
心臓発作の必需品です。

　これらの器具は、できれば使いたくありませんが、
あれば少しは安心ですよね。
　さてこの事故についての正直な感想は、
「私の医院でもいつ何時同じような事故が起きるか解らない・・・」
と感じて怖くなりました・・・。
　今回は２歳のお子さんでしたが、このような事故は過去にも時々あるからです。
私が歯科大学を卒業したての頃にも、
たまたま友人が勤務していた医院でも死亡事故がありました。
確か、麻酔薬のアレルギーでした。
歯科医に大きな過失は無くても、事故は起こります。
最悪の事態にならないように日頃から、緊急時の対策をしていきたいと思います。
これからも、あなたの為に頑張ります。
ではまた。