「もうじき総入れ歯になる・・・・ってお嘆きのあなたへ！
残り少ない歯を有効活用できる、
究極の部分入れ歯をご存じですか？」
６０代の患者様です。
上の入れ歯の再治療の患者様です。
実は、約２０年前に私が製作しました。

咬みあわせの面は、こんな感じです。
精密な部分入れ歯が装着されています。
もちろん、金属製の留め金なんて見えませんよ。

入れ歯を外すとこんな感じです。
よく見ると、精密な加工が施されています。

でも上の写真では解りませんが、残念ですが奥歯が崩壊しています・・・。

と言うことで、再治療です。
金属冠を除去したところ、
残念ながら前歯が４本しか保存できませんでした。
歯の状態も良くありません・・・。
いつ根っこが折れて抜歯になるか予想がつきません。

そこで今回はドイツ式テレスコープ義歯の一つ
レジリエンツテレスコープ義歯で設計しました。
でも奥歯を抜歯したので数ヶ月は、最終的な入れ歯の製作に進めません。
歯肉の形が安定するまで、数ヶ月～１年かかるのです。
そのために、保存予定の前歯に虫歯予防のために保護キャップの金属冠を装着しました。

ドイツ式テレスコープ義歯を導入している歯科医院でも、
虫歯予防の保護キャップを装着してくれる医院は少数です。
面倒でも、私は必ず装着しますよ。あなたのためです。
前から見るとこんな感じですが、心配は要りませんよ。

その上から、入れ歯が装着されます。

この入れ歯は、金属冠を除去して奥歯を抜歯した当日に装着します。
歯を抜いても前歯が無い時間はありませんから、安心して下さいね。
この入れ歯は仮の入れ歯ですが、多くの場合もう一度きれいに製作します。

この患者様は、歯肉が安定するまで約１０ヶ月待ちました。
そして、最終的な入れ歯の製作です。
もう一度歯の形を修正したら、超精密で低アレルギーな貴金属製の冠を装着します。

その上に、入れ歯がはめ込まれる構造です。

よく噛める入れ歯程、正中部で割れやすいので金属プレートで補強してあります。

裏側から見ると、残された歯にはめ込まれる部分に金属冠が埋め込まれていますよ。

前から見るとこんな感じです。

参考までに、治療前の状態です。

この入れ歯の特徴は、
①残された歯が、約３本以下の患者様に適応されます。
②状態の悪い歯でも、利用可能です。
③万が一、状態の悪い歯が抜歯になっても
入れ歯を修理してそのまま使い続ける事が可能です。
④総入れ歯と似たような構造なので、歯並びを自由に改善する事ができます。
⑤１本でも自分の歯が利用できれば、
総入れ歯よりも噛み心地が良い入れ歯が製作できます。
入れ歯の横揺れが防止出来るからです。
等など、利点が沢山あります。
あなたも経験があるかも知れませんが、
残された歯が少なくなってくると
多くの歯医者さんでは、
「○○さん、全部の歯を抜いて総入れ歯にしましょう！」
「歯を抜いた方が入れ歯が安定します・・・」
「無理をして入れ歯を製作しても、残された歯がすぐにダメになって
また作り治しになりますよ・・・」
みたいな事を説明されます。
でも、あなたは歯を抜きたくない・・・・
そんなあなたに、ぴったりな部分入れ歯です。
さらに入れ歯でお困りのあなたは、インターネットで検索してよく勉強されています。
そしてこんなお問い合わせを頂く事もあります。
「私の近所の歯科医院でもドイツ式入れ歯の治療ができます。」
「コーヌステレスコープ義歯です。」
「大丈夫ですか？」
みたいな感じです。
今回お見せした患者様の入れ歯は、ドイツ式テレスコープ義歯の一つで、
レジリエンツテレスコープ義歯です。
コーヌステレスコープ義歯と非常によく似ていますが、
似て非なる物で、別物です。
もしも今回の患者様に、コーヌステレスコープ義歯を適応したらすぐに歯を失う事になります。
残念ながら日本の歯医者さんは、ドイツ式テレスコープ義歯の技法と言えば
コーヌステレスコープ義歯しか知らない歯医者さんがほとんどです。
ドイツ式テレスコープ義歯、いろいろな種類があるのです。
症例によって、使い分けなければいけません。
さらに、間違った設計のコーヌステレスコープ義歯が氾濫しているのです。
歯医者さんも悪気は無いのですが、
ドイツ式テレスコープ義歯は日本の歯科大学では
教育されていないので、仕方が無いのです。
注意してくださいね。
歯医者さん選びは難しいですね。
ではまた。