「小学校低学年のお子様をお持ちのお母さん！
　乳歯が片側だけ早く抜けてしまったら、要注意です！」
9歳のお子様です。定期検診でのご来院です。

ぱっと見は、大きな問題は無さそうに見えますね。
では、咬みあわせの面です。
上の歯の咬みあわせの面です。
写真の右側の、真ん中から3番目の糸切り歯と、その後ろの乳歯が生え替わっています。
反対側は、まだ乳歯のままです。

下の歯の咬みあわせの面です。

上の歯と同じように、片側の乳歯の奥歯が抜けて永久歯が出てきました。
反対側は乳歯のままです。
そして、前歯の歯並びが乱れています。
　このお子様のように、
片側の乳歯だけが早く抜けて永久歯に生え替わってしまう場合は
かみ癖がある場合が多いです。
かみ癖のある側の乳歯が、早く抜けて生え替わってしまいます。
　何が問題なのかというと、
乳歯が早く抜けてしまい、そこにスムーズに永久歯が生えてくれば問題は無いのですが
永久歯がきちんと出てくる前に、早く抜けて出来た隙間に奥歯が移動してきて
永久歯が正常に生えて来る隙間を失う危険があるのです。
意味不明ですか？
結論だけをお話すれば、
かみ癖のために早く乳歯を失うと、歯並びが悪くなるリスクが高まると言うことです。
　このお子さんもこのまま放置すると、早く抜けて生え替わった永久歯に押されて
写真の左側、真ん中から数えて3番目の糸切り歯が
2番目の前歯の前方の位置まで押し出されて八重歯になる可能性が高いです。
別の患者様ですが、こんな感じです。

人間の歯は、奥歯が前の方に少しずつ移動するようにできています。
特に、乳歯から永久歯に生え替わる時期はとても強い力で前歯を押しながら生えてくるのです。
お隣の歯同士が綺麗に並んでいれば、
並んでいる歯がつっかえ棒の役目をして綺麗な歯並びのまま生え替わります。
でも、歯並びが乱れていると奥歯に押されてさらに悪化してくるのです。
と言うことで、このお子さんは矯正治療をスタートします。
これ以上悪化する前に、転ばぬ先の杖です。
賢いお母さんの選択です。
経過はまた、ご紹介しますね
ではまた。