「歯周病で、
　入れ歯にしましょうって言われてお悩みのあなたへ！
　すぐにあきらめて、抜いちゃダメですよ！」
では、本日の１枚です。

この患者様はかかりつけの歯医者さんで、
ほとんどの歯の抜歯を勧められたそうです。
「抜いて、部分入れ歯をまず作りましょう」
「そして、近い将来総入れ歯ですね・・・」
と宣告されたそうです。
レントゲン写真です。

このレントゲンを見れば私だって、そうしたいです・・・。
重度の歯周病です。
上の歯です。
写真の右上の奥歯は抜けかかっています・・・。
歯肉もブヨブヨで、膿が出ています・・・。
もちろん、すべての歯がグラグラです

下の歯です。歯周病で歯並びが乱れています・・・

重度の歯周病の歯を、すぐにあきらめて抜くのは簡単です。
最近では、重傷の歯周病の歯は抜いてしまう歯医者さんが
多いようです。
　特にインプラント治療が普及して、重度の歯周病の歯を時間をかけて残すよりも
抜いて、インプラントで置き換えた方が良いと考える歯医者さんが多いのです。
　特にアメリカでは、歯科治療は自費診療が当たり前なので
もしも無理をして懸命に残した歯にトラブルが発生した場合に、
歯医者さんが再治療費を保証しなければなりません。
　長い治療期間と高額な費用をかけて歯周病の歯を残すより
抜歯をしてインプラントに置き換えた方がお互いのリスクが少ないと考えるのです。
　私も沢山インプラント治療を経験しているので、
症例によっては無理に歯を残さないで、
インプラント治療を選んだ方が良いと判断する時もあります。
　でもここで、よく考えなければいけないのはインプラントが万能ではないことです。
天然の歯と同様にインプラントも歯周病になるのです・・・。
特に、重度の歯周病のあなたのお口の中は
悪玉の歯周病菌の巣窟なのです・・・。
そのお口の中に、異物のインプラントを埋め込むのですよ・・・。
大丈夫だと思いますか？
それに比較すれば天然の歯のリスクは少ないのです。
だって、インプラントと違って異物ではありませんから・・・。
私の医院では、治療開始前にいろいろな治療法をご説明します。
１、インプラント治療のリスクとメリット
２、入れ歯治療のリスクとメリット
３、重度の歯周病の歯を保存するリスクとメリット
４、それぞれの治療法の費用対効果
などなど、今後起こるトラブルの対処法までお話します。
そして、あなたとじっくり相談して治療法を決定します。
と言うことで今回の患者様は、ご自分の歯をできるだけ保存する事にしました。
まずは、歯周病の治療と並行して、下の前歯の歯並びを整えます。
治療前です。

矯正装置を装着しました。

下の前歯の歯並びが、整ってきました。
歯肉も引きしまってきましたよ。

そして、現在の状態です。
下の前歯以外は、仮の歯に置き換えました。
ここまで来るのに、約１年半かかりました。
治療前は、
すべての歯の歯周ポケットの深さが５～１０ミリ以上だったのが
ほとんどの歯が３ミリ以下です。
ちなみに、３ミリ以下が正常値ですよ。

上の歯の咬みあわせの面の写真です。

参考までに、治療前です。

いかがですか？
頑張れば、重度の歯周病の歯でも保存する事が可能です。
ただし、もちろんリスクもありますよ。
でも、インプラントだってリスクがあります。
選ぶのはあなたです。
でも、しっかりと説明してくれる歯医者さんを選んでくださいね！
インプラントばかりを勧める歯医者さんは、要注意ですよ・・・。
ではまた。