「高額なインプラント治療で失敗したくない
５０代のあなたへ！」
５０代の患者様です。
下の写真は、初診時の状態です。
上の入れ歯を作り直したいと来院されました。


初診時、すでに他院で埋め込まれたインプラントは
歯周病に感染していましたが、
患者様の希望で、今回はこのまま経過を観察する事になりました。
すでにインプラントを埋め込まれたあなたを、
心配させたい訳ではありませんが、
天然の歯と違って、インプラントは完全に骨が溶けて無くなるまでは
グラグラしません・・・。
歯周病になっていても、気がつかないのです・・・。
グラグラしていたら、もう手遅れなのです。
定期的なメンテナンスが非常に重要なのですよ。
当院では、３～４ヶ月に一度のメンテナンスをお勧めしています。

そして、１回目の治療終了時の状態です。


きれいな口元になりました。
そして２年後、ついに炎症を起こしていた
インプラントの周りの骨が溶けて無くなりました。
グラグラです・・・。

残念ながら、保存不能なので除去しました。


この患者様は、短期間でインプラントを除去する結果になったのですが、
相談の結果、骨の厚みも少なく、難症例なのですが
もう一度インプラント治療を選択されました。
インプラント治療が失敗する原因の一つとして、
埋め込まれたインプラントの周りの歯肉が、薄くて弱いという点があります。
そのために、
硬い歯ブラシが当たると、歯肉が痛いのでしっかり磨けないのです・・・。
当然、磨き残しが原因で歯周病になりやすいのです。
失敗したインプラントの多くに、埋め込まれた場所に
丈夫な硬い歯肉が存在していません。
今回の患者様も、硬い歯肉が存在していませんでした・・・。

そこで、解決法です。
インプラント治療に真面目に取り組んでいる歯医者さんは、
硬い歯肉が存在しない場合は
こんな努力をしています。
歯肉の移植手術です。
今回は、上アゴの歯肉から硬い歯肉を移植しました。
移植手術後です。

上アゴの移植する歯肉の採取部位は、
人工の皮膚で保護しますからあまり痛みは出ません。

約１ヶ月後です。十分な厚みのある硬い歯肉ができました。

参考までに、移植前です。

何となく解りますか？
今回は、インプラント本体に装着される最終的な歯の金属フレームを仮合わせしました。

そして真面目な歯医者さんは、必ずレントゲンで確認します。
適合は良好です。

次回は、金属フレームの上に白いセラミックを焼き付けて完成です。
歯肉の移植手術は、あなたにとっては嬉しく無い処置です。
理由は、移植する歯肉を採取するために、
お口の中に余計な傷口を増やす事になるからです。
実は歯医者さんも、嬉しくありません。
理由は、繊細な手術で手間がかかり面倒だからです・・・。
暗くて狭くて、唾液がいっぱいのお口の中で、
厚さ１ミリ程度の薄くて小さな歯肉を切り取り
インプラント周囲の破れやすい薄い歯肉に縫い合わせるのです・・・。
小さなお口の時なんて、泣きたくなりますよ・・・。
ということで、インプラントの上手な歯医者さん選びの参考にしてくださいね。
この患者様の続きはまたご紹介しますね。
ではまた。