「要注意！入れ歯が苦手だから、
インプラント治療を勧める歯医者さんが急増中！」
7０代の患者様です。
下アゴ総入れ歯の再制作の症例です。
そして、完成した下アゴの総入れ歯の写真です。

でも実は、裏側はこんな仕掛けが装着されています。

総入れ歯の方なのですが、インプラントが２本埋め込まれているのです。
お口の中はこんな感じです。

埋め込まれたインプラントに装着された、
部品の先端の丸い部分に
入れ歯の仕掛けがはめ込まれるのです。
目的は、入れ歯の浮き上がりの予防です。
総入れ歯のあなたはよくご存じだと思いますが
下アゴの総入れ歯は、プカプカ浮き上がることが多いのです・・・。
それを、インプラントに仕込んだ仕掛けで固定するのです。
たった２本のインプラントですが、入れ歯の安定性はとても良くなります。
さて最近歯科業界では、インプラント治療が万能みたいに宣伝している医院が
多いようですが、本当でしょうか・・・？
この方も、入れ歯が浮き上がらなくなったと喜ばれていましたが、
強く咬むと、歯肉に当たって痛むそうです・・・。調整を繰り返していました。
インプラントが埋め込まれた前歯付近は、咬む力をインプラントが支えてくれますが
奥歯にはインプラントは埋め込まれていませんから、
入れ歯は沈み込み歯肉に食込むのです・・・。
強い力に負けてしまうのです・・・。
当然、歯肉は痩せてきます・・・。
インプラントを埋め込めば、すべて問題が解決するわけでは無いのです。
万能ではありません。
インプラント治療は、入れ歯が嫌な人が固定式の歯を望まれる場合に行う事が多いのですが
今回の症例のように、総入れ歯の補助として使用される場合もあります。
入れ歯治療にインプラントを併用する場合は、注意が必要です。
特に、咬む力が強い患者様は要注意です。
そして製作する歯科医が、入れ歯とインプラント両方の治療に精通している必要があります。
理想的には、総入れ歯にインプラントを併用する場合はインプラントを併用しなくても
充分に使用できるくらいの入れ歯を製作できる能力が歯科医に必要なのです。
よく聞くお話ですが、入れ歯が苦手だからあなたにインプラント治療をお勧めする
歯科医が多いそうです。
自信のある治療法をお勧めする事は良いことですが、
入れ歯の知識が乏しいと、総入れ歯にインプラントを併用する場合は上手くいきません・・・。
参考までに、当院で再制作した入れ歯です。
上が古い入れ歯、下が新しい入れ歯です。


これは同じ患者様の入れ歯です。
大きさの違いは一目瞭然ですよね？
総入れ歯はアゴの骨が痩せているのですから、
痩せた歯肉を適切に入れ歯で復元する必要があります。
当然、大きくなります。
正確には、元に戻しているだけですが・・・。
広い面積で、咬む力を分散させて支えるのです。
歯肉の負担も少なくなります。
この入れ歯は、インプラント無しでも安定しています。
さらに、インプラント併用していますから万全です。
装着した状態です。

いかがですか？
せっかく大変な思いをして埋め込んだインプラント治療です。
失敗はしたくないですよね・・・？
歯医者さん選びは慎重にお願いしますね。
ではまた。