「歯科インプラント治療が成功している理由」
前回は、歯科のインプラント治療が、 医学の常識で考えると、
かなり無理のある治療法である事、
そしてお口の中の、いかに過酷な条件で成立しているか
というお話でした。
そこで、今日はなぜ歯科のインプラント治療が、
不幸なトラブルもありますが、
こんなに普及し、成功しているのかという理由を説明します。
過酷な環境の中でも、歯科インプラントが、
何とか成功している理由は、以下の通りです。
①チタンという金属は生体親和性が非常に高いため、身体がチタンを完全な異物と認識していないので異物排除をしないためです。
ただし、自分の身体の一部と認識している訳ではありません。
稀にですが、チタンにも金属アレルギーがあります。
②お口の粘膜(歯肉)は、皮膚と比較すると数倍の治癒能力を
持っているため、傷ができてもすぐ治るからです。
③常に、唾液が存在するため唾液の清掃・抗菌・
抗炎症・免疫作用などがあるので化膿しにくいためです。
こんな好条件が奇跡的にそろった結果、
歯科インプラントは成功してるのです。
お口の中って、すごいですね
インプラントを長持ちさせるには・・・
後ろ向きに考えれば、
インプラントを身体が一度でも異物と
認識すれば、身体はとげを排除するように、
インプラントを、体の外へ追い出そうとします。
歯磨きをさぼって、
インプラントの周りに汚れをためてしまうと、
炎症を起こします。
すると身体は、インプラントを異物と認識します。
そうなれば、もう元には戻れません。
インプラントが抜け落ちるまで、炎症は進行します。
当院でも、比率にすればわずかですが、
年間何本かはダメになります。
天然の歯は、一度炎症をおこしても、
歯磨きをすれば炎症は治まりますが、
残念ながらインプラントの炎症は、治まりません。
現在、いろいろな研究がされていますが、
炎症を食い止める効果的な治療法は、
まだ確立されていないのが現状なのです。
インプラントを長持ちさせるには、
天然の歯以上に毎日の歯磨きはもちろん、
定期的な検診とメンテナンスが必須なのです。
こちらの記事もお読みください。
「医学の常識で考えれば、かなり無理のある治療法。
それが歯科のインプラントです。」
https://www.meguro-shika.jp/diaryblog/2021/03/post_579.html
続きは次回に
ではまた。